その家、一生住めますか?老後も住める家を建てたいと思う際に考えるべきこと4つ。
老後も安心して住める家に
「人生で最も高価な買い物」といわれる家を建てるなら、10年や20年ではなく一生住み続けられる家を作りたいと考えるのが一般的です。
しかし、気力や体力が充実しているときは「老後」を想像すること自体が難しいため、「老後も安心して住める家」はどのようなものかイメージしにくいです。
老後も安心して住める家を建てたいと思ったら、どんな点に注意すればよいでしょうか。
家をどこに建てるか
老後も住みやすい家を作るというと、家にどんな設備を置くか、どんな間取りにするかということに意識が行きがちですが、どこに家を建てるかも非常に大きなポイントとなります。
例えば、家の前の道が極端に狭く見通しが悪いと事故などに遭うリスクが高いだけではなく、車椅子を利用しにくいため老後の生活に不便が生じるかもしれません。
また、坂の上の家は景観や日当たりはよいかもしれませんが、高齢になったときや車椅子を利用することになったときに負担が大きくなります。
老後のことを考えると、見通しの良い広い道沿いの平坦な土地が理想的といえるでしょう。
玄関周り
玄関前には2段程度の段差が設けられるのが一般的ですが、玄関前に階段があると高齢になってから外出の負担になるだけはなく、車椅子での出入りが困難になる原因となります。
玄関前をスロープにしておくと老後の負担軽減になるだけではなく、乳幼児期の子供やベビーカー利用時の負担軽減にもなります。階段にする場合は距離を長めにとって勾配が急にならないよう設計するとよいでしょう。
家の構造と間取り
生活動線が短く、上下の移動も最小限で生活できるコンパクトな家は足腰が弱った老後でも生活しやすく、移動中の転倒リスクも少ない安全な家となります。
水回りなどの設備が一か所に集まっているだけではなく、それぞれの行き来がしやすい間取りにすると動線が短くなり、生活しやすくなります。
また、平屋であれば階段の上り下りをしなくても生活できるので、老後も安心です。2階建ての場合はいざという時は1階だけでも生活できるような間取りにしておくとよいでしょう。
避けたいのは狭小地の3階建て住宅です。1階だけで生活することが困難なので、生活の負担が大きくなってしまいます。
バリアフリー化の下準備
子育て期間中は子供中心の家にして、子供が独立したらバリアフリーリフォームで老後の家に作り変えたいという場合は、バリアフリーリフォームがしやすいよう下準備を整えておくとよいでしょう。
例えば、子育て期間中は廊下に手すりを設置する必要性を感じないため、一般的な廊下幅である75~80cm程度でも不便を感じませんが、廊下に手すりをつけた場合は廊下幅75~80cmでは狭くて不便です。
廊下幅を拡張することで解決できる問題ですが、費用負担が大きくなるだけではなく、間取りや構造によっては拡張できない可能性があります。将来手すりをつけることを想定し、あらかじめ廊下幅を広めにしておくとバリアフリー化しやすくなります。トイレや浴室の出入り口や玄関周りなど、バリアフリー化する予定のある場所は将来を見据えた作りにして置くとよいでしょう。
まとめ
立地などの条件があわず老後も住める家を作れないという場合、子供が独立したら家を売却して老後生活に適した家を買う、引っ越すという選択肢もあります。将来、家を売却する予定の場合は、需要があって売れるような場所の土地を選び、資産価値の高い家を建てるとよいでしょう。