屋根の形で住心地が異なるって本当?!切妻、片流れ、寄棟屋根それぞれのメリット・デメリット。
意外と重要な屋根の形
屋根の形は家の外観イメージを決める要素の一つですが、屋根の形によって変わるのは見た目の印象だけではありません。屋根の形状にはそれぞれ異なる特徴があり、さまざまなメリット・デメリットが存在します。
今回は、20種以上あるといわれる屋根の中でもオーソドックスな切妻屋根、片流れ屋根、寄棟屋根の特徴とメリット・デメリットを紹介します。
切妻屋根
切妻屋根は本を開いて伏せたような形の屋根で、日本家屋はもちろん洋風の住宅でも見かけることが多いポピュラーな屋根です。
構造がシンプルで接合部分が少ないため、施工の手間やコストがかからず雨漏りがしにくいほか、屋根の面積が広いため太陽光パネルの設置がしやすいというメリットがあります。
また、屋根裏空間を活用しやすく、換気性が良いことも大きなメリットです。
しかし、「妻」と呼ばれる屋根が三角形に見える方向の壁は雨や紫外線にさらされやすく、外壁が傷みやすいというデメリットがあります。屋根を長く出すことで影響をを減らすことができますが、屋根の向きや北側斜線・道路斜線といった日照制限によっては長く出すことが難しいため注意が必要です。
切妻屋根を採用する場合は、日当たりや風向き、制限などを考慮して屋根の向きを決めるようにしましょう。
片流れ屋根
片流れ屋根は一枚の板を一方向に傾けて乗せたような形状で、シンプルでモダンな見た目から人気が高い屋根です。接合部分がなく形がシンプルなうえ、水が一方に流れてたまらないため雨漏りがしにくく、面積が広いので大きな太陽光パネルを設置出来るというメリットがあります。
また、屋根が高くなっているほうに空間を取りやすく、収納やロフトに活用出来ることも魅力です。
しかし、屋根が高くなっている方の壁は雨や紫外線にさらされやすく、外壁が傷みやすいというデメリットがあります。高さがあるため北側斜線・道路斜線にかかりやすく屋根を長く出しにくいため、壁と屋根の接合部分から雨漏りをしやすくなります。
また、水や雪が一方に集中するため、大雨のときは雨どいで水を受けきれなくなったり、雪の重みが一方向に集中することで屋根や雨どいが破損することがあるのもデメリットです。
勾配を変えることで排水性や高低差を調節することができますが、勾配がどの程度であれば気候や立地に合っているかを判断するにはある程度の知識や経験が必要なため、経験豊富で技術力の高い施工業者を選ぶことが大切です。
寄棟屋根
寄棟屋根は切妻屋根の妻側の壁にも屋根を付けた形状で、和風洋風どちらの家にも使われるポピュラーな屋根です。どの方向から見ても軒が低くなっているため落ち着いた印象があり、北側斜線・道路斜線にかかりにくいという特徴があります。
また、屋根一枚当たりの面積が狭いため風の影響を受けにくい、外壁が紫外線や雨に晒されにくく傷みにくいのもメリットです。
しかし、屋根の枚数が多く雨水が四方向に流れるため雨どいが多く必要になります。そのため、切妻屋根や片流れ屋根に比べると設置やメンテナンスのコストが高くなります。
また、屋根の形状が複雑なため水が溜まりやすい場所ができやすく雨漏りのリスクがやや高いこと、屋根裏空間を取りにくいこと、太陽光パネルを設置できる面積が少ないこともデメリットです。
まとめ
屋根の形は、見た目や費用だけではなく立地や気候などの条件も考慮して選びましょう。
また、屋根の機能性は勾配や方向、軒の長さ、材質などによっても変りますので、業者と相談しながら決めるとよいでしょう。