新築住宅に適用される固定資産税の令和4年度税制改正後の軽減措置について
固定資産税とは
固定資産税とは土地や建物といった固定資産にかかる税金のことです。家や土地を購入したり新築したりするとその翌年の1月1日に納税義務があるかどうかを判断され、4月から5月ごろに納税通知書が届きます。
土地や住宅といった不動産にかかる税金は固定資産税のほかに「不動産取得税」がありますが、不動産取得税は一度しかかからないのに対し、固定資産税は毎年課税されるという特徴があります。
固定資産税の税額は土地や家屋の評価額を基準に算出されますが、税金が住宅取得の妨げにならないよう、さまざまな減額措置が用意されています。
新築住宅に係る税額の減額措置
住宅は年数が経つごとに評価額が下がるという特徴があるため、固定資産税の額も新築時が最も高くなります。
評価額の見直しは3年に一度行われるため、新築から3年間は高い税金が課せられることになりますが、家を新築したあとは生活が安定していないなどの理由から経済的な余裕がないことが多く、特に不景気が続く昨今は税負担が大きくて払えないという事態も起こりかねません。
このような事態を避けるため、国土交通省は新築住宅にかかる固定資産税を3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額するという減額措置を行うことを発表し、令和四年も引き続きこの措置が取られることとなりました。
また、この措置は居住水準の向上と良質な住宅ストックの形成を図ることを目的としているため長期優良住宅は優遇され、減額される期間が一般住宅より2年長くなります。
減額を受けるための主な要件
この措置は一戸建てだけではなく、マンションなどの集合住宅も対象としています。
【主な要件】
・令和6年3月31日までに新築された住宅であること
・住宅の居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
(共同住宅の場合は、居住部分の床面積に、廊下や階段などの共用部分の床面積をあん分し、加えた床面積。一戸建て以外の貸家住宅は、一戸につき40㎡以上、280㎡以下。店舗併用住宅の場合は居住部分の割合が2分の1以上)
一般的な住宅の場合、基本的には申請などを行わなくても軽減措置を受けることができます。ただし、地域や住宅の種類や状況などによっては申請が必要になることもあるので、軽減措置を受けられるか確認しておくと安心でしょう。
また、長期優良住宅で軽減措置を5年受けるためには申請が必要です。申請を忘れると措置期間が3年になってしまいますので注意しましょう。
改正されたポイント
これまでの新築住宅に係る税額の減額措置では住宅を建てる土地に関する要件はありませんでしたが、令和四年の改正で「土砂災害特別警戒区域等の区域内で、都市再生特別措置法に基づく市町村長による適正な立地を促すための勧告に従わないで建設された一定の住宅については本特例措置の適用対象外」と定められました。
一般的な規模の住宅であれば適用対象外になることはほぼないと思われますが、土砂災害特別警戒区域等の区域内に家を建てるときは自治体に確認しておきましょう。
まとめ
住宅の固定資産税は軽減措置期間が終わると額が倍増しますので、そのことをあらかじめ念頭に置いて準備しておくとよいでしょう。
また、新築住宅に係る税額の減額措置は令和6年3月31日を適用期限としており、適用期限が延長されるかどうかは不明です。固定資産税の軽減を受けたい場合は、適用期限までに家を建てるよう計画しておくとよいでしょう。