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最近よく耳にするパッシブハウスとは?

環境に合わせる「受け身の家」

省エネ住宅やエコロジー住宅への関心が高まる近年、パッシブハウスという言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

パッシブハウスとは環境先進国としても知られるドイツ発の建築基準で建てられた、快適性を追求した省エネ・エコ住宅のことです。

土地の環境に合わせた性能と機能を住宅に備えることで、冷暖房器具の使用を減らすという考えに基づいていることから、「受け身の」という意味を持つ「パッシブ」という名前がつけられました。

パッシブハウスのメリット

パッシブハウスは環境に合った性能を備えることで冷暖房の使用を減らすという考えに基づいているため、パッシブハウスの基準で建てられた住宅は冷暖房を使用しなくても快適に過ごすことができます。もちろん、性能の限界を超える暑さや寒さのときは冷暖房を使用する必要がありますが、使用頻度が大きく減るため光熱費を大幅に削減することが可能です。

また、結露が発生しにくくなることからカビの発生も抑制され、衛生的・健康的な環境を保つことができ、壁や床などの寿命も長くなります。

冷暖房器具で部屋ごとで温度を調節するのではなく、家全体の温度を一定に保つことができるため、空間ごとの温度差による体への負担が減り、ヒートショックなどとリスクを下げることができます。

パッシブハウスを建てるときの注意点

省エネ・エコ性能の高いパッシブハウスですが、建てるときはいくつか注意したい点があります。

 

【施工業者選びは慎重に】

ヨーロッパでは広く普及しているパッシブハウスですが、日本ではまだあまり浸透しておらず施工事例も多くありません。

また、パッシブハウスはドイツの「パッシブハウス研究所」が定めた基準をクリアしてはじめて認められるものであり、基準をクリアするためにどのような施工が必要かを判断し、その土地の環境に合った設計を行うためには専門的な知識や経験がないと困難です。

さらに、施工には求められる断熱性や気密性を持たせるための技術が要求されるため、パッシブハウスを建てるときは知識・経験・技術を備えた業者を選ぶ必要があります。

 

【土地選びが重要】

パッシブハウスは土地の環境に合わせて住宅の機能・性能を選ぶ方式です。

そのため、日当たりが悪い土地や湿度の高い土地などの場合は、条件の良い土地に比べて多くの機能・性能が必要となり、コストがかさむことがあります。

また、防火規制の厳しい地域では窓や壁などの仕様が厳密に決められており、パッシブハウスの基準を満たせないことがあります。

パッシブハウスを建てるときは、できるだけ環境条件などがよい土地を選びましょう。

 

【コストが高くなる】

環境に合わせて設計を行うパッシブハウスは、完全オーダーメイドの家であるだけではなく、一般の家よりも高い性能を持たせるためコストが高くなってしまいます。どの程度の費用がかかるかシミュレーションし、ローンの返済計画をしっかり立てておきましょう。

また、省エネ・エコ性能が高いパッシブハウスは、国や地域の補助金制度を利用できる可能性があります。パッシブハウスを建てるときは活用を検討して観てもよいでしょう。

まとめ

パッシブハウスの基準は「冷暖房負荷」「一次エネルギー消費量」「気密性能」などの性能基準であり、使用する材料や間取り、デザインなどは定められていません。省エネ診断士や業者と相談しながら作るパッシブハウスは、省エネ・エコ性能に優れた自由で快適な理想の家といえるかもしれません。

 

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