花粉やPM2.5対策、省エネにもなる全熱交換換気システムとは?顕熱交換式とは何が違いますか?
住宅の省エネに「熱交換換気システム」
現在、住宅を新築するときは換気システムを設置することが建築基準法によって定められています。換気システムは屋内の湿気などを排気するだけではなく、窓を開けただけの喚起では屋内に入ってしまう花粉やPM2.5を取り込まず、きれいな空気だけを取り込む機能を持っています。
しかし、通常の換気システムは冷暖房効率が下がるというデメリットがありました。
「熱交換換気システム」は、排気と給気が熱交換を行うことで換気に伴う冷暖房効率低下を防ぐシステムです。光熱費削減・省エネに役立つことで注目を集めており、省エネ住宅には欠かせない設備となっています。
全熱交換換気システムとは
「熱交換換気システム」には大きく分けて「全熱式」と「顕熱式」の二通りがあります。
熱交換換気システムは排気と給気が熱交換を行うことで室温の上昇と下降を防ぎますが、全熱式では温度だけではなく湿度も交換します。そのため、換気によって空気が乾燥したり湿度が上がったりすることなく、部屋の環境を一定に保つことができます。
冬の乾燥を防ぐだけではなく、夏や梅雨の時期は高い除湿効果を期待できます。降水量が多い地域、高温多湿な地域、部屋の温度や湿度を一定に保ちたいという方におすすめです。
顕熱交換式との違い
一方、顕熱式は温度だけを交換し、湿気の交換は行いません。室内の空気に含まれていた湿気は水蒸気として屋外に排出し、屋外の湿気はそのまま屋内に取りこれます。
そのため、換気によって湿度が変化し、冬は空気が乾燥したり夏や梅雨の時期は湿度が高くなったりします。全熱式よりも換気による湿気対策効果が低く、高温多湿な地域にはあまり適さないといわれています。
ただし、全熱式は屋内の空気に含まれた匂いや有害物質などの一部が湿気と一緒に戻ってくるというデメリットがあります。ペットを飼っている場合は顕熱式のほうがよいかもしれません。
まとめ
全熱交換換気システムと顕熱交換換気システムは、それぞれメリットとデメリットがありますが、日本は一般的に高温多湿なため全熱交換換気システムが適していると言われています。
また、全熱式でも顕熱式でも、メーカーや製品によって性能が異なるため、熱交換方式だけではなく、製品ごとの違いも比較してライフスタイルや求める機能などに合った製品を選ぶとよいでしょう。