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地盤改良工法の種類にはどんなのがありますか?そのメリットとデメリット

いろいろな地盤改良工法

家を建てるために土地を購入したのはよいものの、地盤改良が必要になることがあります。地盤改良工法にはどのような種類があり、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

表層改良工法

表層を2m程度掘り、その土とセメントを混合させたものを戻し、転圧して固めるという工法です。軟弱層が浅いときに使用できる工法で、軟弱僧をセメントで固めて強化するだけではなく、軟弱僧の下にある安定した地盤層と一体化させることで強い地盤を作ります。
比較的簡単な工事で済むためコストが低く、広さによって変わるものの短期間の工事で済みます。また、地盤の中に石などが混ざっていても施工できるのも特徴です。「浅層混合処理工法」ということもあります。
ただし、軟弱層が厚い土地、地盤改良面よりも地下水位が高い土地には施工できない、勾配がきつい土地では対応できないことがある、職人のスキルに依存しやすいといったデメリットがあります。

柱状改良工法

地盤に向かって円柱型の穴を掘り、そこにセメント系の固形材を流し込んで固め、住宅を支える柱を作るという工法で、戸建て住宅ではもっともポピュラーな工法です。軟弱層が浅い土地に対して行う「浅層混合処理工法」(表層改良)に対し、軟弱層が深い土地に対して行うことから「深層混合処理工法」とも呼びます。
施工費用が比較的安く、軟弱層が厚い土地、支持層(強固な地盤)がない土地にも施工できることがメリットですが、特殊な重機を使用するため、搬入路が狭い土地や狭小地、高低差がある土地では重機がはいれず施工できないことがあります。
また、土の質によってはセメントが固まりにくく固化不良を起こすことがあります。さらに、土の中に柱が残るため、土地を売却するときに価格が下がったり、撤去費用がかかったりする点もデメリットです。

鋼管杭工法

柱状改良工法同様、地盤に柱を立てて支持力を得る工法ですが、鋼管杭工法はセメントではなく鋼管を使用すること、固い支持層に杭を打ち込むことが異なります。
戸建て住宅ではあまり見られない工法ですが、支持層に杭を打ち込む工法なので安定力が強く、三階建てなど重量があって柱状改良では支えきれない住宅を建てるときに利用できます。
柱状改良よりも小さな重機で施工できるため、狭小地などでも施工できるケースがあり、軟弱地盤が地中で傾斜している土地にも施工できる、鋼管を使うためセメントが固化不良を起こす土地にも使用できるといったメリットがあります。
しかし、支持層がない土地には施工できない、コストがかさむ傾向がある、施工時の音や振動が大きい、柱状改良同様、土地売却時の値下がり・撤去費用がかかるといったデメリットがあります。

まとめ

どの工法が適しているかは、軟弱層の深さ、支持層の有無、土質、立地、その土地の広さ、建てる住宅の規模などによって異なります。
また、表層改良でセメントではなくほかの土地から持ってきた土を使う「置換工法」や、柱状工法でセメントではなく砕石を使う「砕石パイル工法」などもあります。様々な工法を比較して、土地にあった工法を選びましょう。

 

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