室内ドアは引き戸か開き戸か。場所別の特徴に合ったドアの選び方3つ。
生活の利便性に影響する室内ドア
室内に設置するドアは大きく分けてドアを前後に開く「開き戸」と、横にスライドさせて開く「引き戸」があります。開き戸は設置コスト比較的安く、気密性が高い反面、ドアの可動範囲がデッドスペース化する、開け閉めがしにくい、ストッパーがないと開けっぱなしにできないなどの特徴があります。
引き戸は開き戸よりも開け閉めがしやすく、間口を広く作ったり狭い空間にも設置しやすい反面、コストがやや高く気密性に劣るという特徴があります。
一般的な建売住宅では和室以外は開き戸を使用することがほとんどですが、ドアの特徴と部屋の用途という組み合わせで考えると、利便性がよくないこともあります。
場所ごとにドアを選ぶとき、どのような方法で選べばよいでしょうか。
水回りは引き戸は通気性や開け閉めのしやすさで選ぶ
トイレ、浴室、洗面所などの水回りは湿気がこもりやすい空間です。そのため、ドアを設置するときは通気性のよさや換気のしやすさなどを考慮する必要があります。
また、水回りは「手が汚れている」「急いでいる」といった状況で使われることが多いため、開け閉めのしやすさも重要です。
このような条件から考えると、水回りのドアは「開けっ放しにできる」「ノブをつかまなくても開け閉めできる」という特徴を持つ引き戸が適しています。
開き戸を選ぶときは、ノブの形状やタイプに注意しましょう。
間口周辺の広さに注意する
開き戸はドアの開け閉めをするとき広い空間が必要になるため、狭い廊下に面した部屋など、間口周辺が狭い場所に設置すると通路を塞いでしまったり、開け閉めがしにくくなったりします。引き戸であればドアが動線を塞ぐ心配がありません。
また、狭い廊下に面した部屋でも、部屋に充分な広さがあれば「内開き」にして動線を塞ぐのを防ぐことができます。トイレなどの狭い部屋の場合、ドアを閉めにくくなるので適していませんが、廊下に面したリビングは内開きの開き戸を検討してもよいでしょう。
居室は気密性を重視
居室プライバシー性を重視したい空間です。居室のドアは気密性や遮音性を重視して選びましょう。
引き戸と開き戸を比較すると気密性や遮音性の高さは開き戸の方が優れています。
また、開き戸はドアの可動範囲がデッドスペースになるというデメリットがありますが、引き戸は「戸袋」部分にコンセントを設置できないというデメリットがあります。居室に設置するコンセントの数が少なくなる、レイアウトがしづらくなるなどの影響があるため、プライバシー性や冷暖房効率、利便性などを考えると居室は開き戸の方が適しているといえそうです。
まとめ
ドアに求められる機能は空間の用途によって変わります。開け閉めのしやすさや安全性などが用途に合っていないとストレスの原因となってしまいますので、コストやデザインだけではなく、部屋の用途に合っているかなども考慮して選びましょう。
とくに、使用頻度が高いトイレやキッチンなどのドアは生活のしやすさに大きく影響しますので慎重に選びましょう。