自宅で楽器演奏を楽しみたい。注文住宅で防音室を作るポイントや注意点。
注文住宅で防音室を作るポイントや注意点をご紹介します。
憧れの防音室
ピアノやヴァイオリンなどの楽器を演奏する人にとって、悩みとなることが「練習場所」です。
スタジオや教室などを利用するという方法もありますが、利用料がかかるため練習する機会が減ってしまいます。
そもそもスタジオなどが近隣にないということもあり、趣味を断念せざるを得なかったという人も少なくありません。
防音室は楽器演奏を手軽にできるだけではなく、カラオケルームやシアタールームなどの趣味の部屋として活用できることから、近年人気が高まっています。
防音室の場所
防音室を作る場合、まず問題になるのが「どこに作るか」ということです。
防音室といえば「地下」というイメージがありますが、地盤などの条件によっては地下室を作ることができないほか、地下室を作ると多額の費用がかかってしまいます。
地下に防音室を作ると防音性能の高い防音室を作ることができますが、音の大きさや種類によっては、地下の防音室ほど高い性能を必要としない場合もありますので、まずは「どの程度の防音性が必要か」を検討し、防音室の場所を決めるとよいでしょう。
防音のレベル
一口に「防音」といっても、防音にはさまざまなレベルがあり、楽器の種類などに合わせた防音レベルを選ぶ必要があります。
JIS規格では「遮音等級(Dr等級)」が規定されており、数字が大きいほど性能が高くなります。
例えばピアノやステレオなどの大きな音は、遮音性能「D-40(一般的な戸建て住宅の性能)」では、「隣の部屋から聞いてなんの曲かわかる」程度ですが、「D-65」だと「隣の部屋からは聞こえない」状態にすることができます。
ギターの音はおよそ80デシベル、ピアノの音はおよそ100デシベル、ドラムの音は120デシベルですので、ドラムを演奏する場合はD-65以上あるほうがよいですが、ギターの場合はD-50程度あればよいということになります。
音の大きさだけではなく、音の種類によっても必要な性能が変わりますので、業者としっかり打ち合わせすることが重要です。
地下につくる場合は換気設備が重要
防音室を地下に作る場合、壁などの防音加工や電気設備などの工事も重要ですが、もっとも重要なのは換気設備です。
地下は地上の部屋に比べて通気が悪いため、湿気がたまりやすくカビなどが発生しやすい場所です。
湿気で楽器などが傷む原因になるだけではなく、カビなどの発生で健康を損なう原因にもなりますので、地下に防音室を作ったときは「ドライエリア」と呼ばれる空間を作るなど、換気に十分配慮する必要があります。
まとめ
「防音施工は壁や床に防音材を取りつけるだけ」と考えがちですが、楽器の種類や用途ごとに必要な性能は異なるため、防音室を作るときは防音の知識をもつ業者を選ぶ必要があります。
また、地下に防音室を作る場合は地下室の施工に長けた業者を選ばなくてはなりませんので、業者選びをより慎重に行う必要があります。