最近増えてる?1階に主寝室を設けるメリットとデメリット。
1階の主寝室
2階建ての住居の場合、1階部分はリビングとキッチン、浴室など家族全員の共用スペースに使い、2階は子供部屋や主寝室といった個室を配置するのが一般的です。
しかし近年、主寝室を2階ではなく1階に設けるケースが増えています。1階に主寝室を設けるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
メリット
1階主寝室のメリットは、主に「使いやすさ」です。リビングやキッチン、浴室などと同じ階に寝室があると、1日のほとんどを1階だけで過ごすことができます。
【階段の上り下りを減らせる】
2階に主寝室があると寝起きのために階段を使用する必要がありません。
しかし、1階に主寝室があると、足腰が衰えた高齢者はもちろん、小さな子どもにも負担になりませんし、赤ちゃんや子どもを抱えた状態でも簡単に寝室に運ぶことができます。
また、階段を使う頻度が下がると転落リスクが減るのも大きなメリットです。
高齢になったら2階の主寝室を1階の客間に移すことも可能ですが、最初から1階に主寝室を設けておくと家具の移動やリフォームなどの手間がかかりません。
【避難しやすい】
2階に寝室を設けた場合、就寝中に火事や地震などが起ったときは階段で1階に降りて玄関などから外に出るというのが基本的な避難経路ですが、状況によっては階段を使用できなかったり、慌てて避難中に階段から転落してケガをしたりする可能性があります。
1階であればすぐに屋外に避難することができるため、逃げ遅れたり避難中にケガをする可能性も減らすことができます。
【家族の動向を把握しやすい】
1階に主寝室を置くと、寝室にいても玄関の出入りやリビングの使用状況などを把握しやすくなります。
デメリット
1階の主寝室のデメリットは、プライベートな空間とパブリックな空間が近いことです。家族構成や間取りによって解消・軽減できるデメリットもありますが、以下のようなデメリットが考えられます。
【音が気になりやすい】
間取りや周辺環境によっては、外を通る人の話し声や車の音、真上の部屋やリビングなどの生活音、玄関扉の開閉音などが気になることがあります。1階に主寝室を設ける場合、間取りに注意するだけではなく、部屋の防音性も意識するとよいでしょう。
【リビングなどが狭くなる】
1階に主寝室を置くと、同じ1階に配置するリビングやキッチン、浴室、洗面所が狭くなってしまったり、空間に圧迫感が出たりすることがあります。敷地が広く、寝室を作ってもリビングなども広く取れるという場合は問題ありませんが、敷地面積が狭い場合は注意が必要です。
【プライバシー性が低い】
リビングとの距離が近く境界があいまいになりやすい1階の主寝室は、2階寝室に比べるとプライバシー性が低くなります。来客時に気を使わなくてはならなかったり、逆に気を使わせてしまう可能性があります。また、つい子どもの遊び場化しておもちゃなどが散乱し、くつろげなくなることもあります。
【2階がデッドスペース化しやすい】
生活のほとんどを1階だけで済ませられるため、2階がデッドスペース化しやすいのもデメリットです。現在はもちろん、老後も2階を有効活用できる間取り計画を立てておきましょう。
まとめ
1階の寝室にはメリットもデメリットもあり、デメリットはライフスタイルや家族構成、間取り、周辺環境などによって変わります。
現在だけではなく将来のことを見据え、メリット・デメリットの両方を比較して設計計画を立てるとよいでしょう。