さまざまな優遇が得られる長期優良住宅の認定基準とメリットは?
長期優良住宅とは
「長期優良住宅」は、その名前の通り「長期にわたって住み続けられる優良な住宅」に対して行う認定です。
このことから、丈夫で機能的で快適な住宅というイメージはできますが、実際にどのような家であれば長期優良住宅として認定されるのでしょうか。
また、長期優良住宅に認定されるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は、長期優良住宅の認定基準と認定のメリットについてご紹介します。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅の認定は、住宅の「構造」と「設備」が一定の基準を満たしているかどうかで判断・認定が行われます。認定を受けるためには、施主か建築会社などが着工前に申請を行い、認定を受けた後工事を行い、家が完成したら住宅性能評価機関に審査をしてもらって適合証を受け取るという流れになります。
認定基準項目は、一戸建ての場合「劣化対策」「耐震性」「省エネルギー対策」「維持管理・更新の容易性」「居住環境」「住戸面積」「維持保全計画」の7つで、共同住宅などの場合はさらに「可変性」「高齢者対策」が加わります。
また、2022年から「自然災害による被害の発生防止又は軽減への配慮」が新たな項目として追加され、災害リスクが高い地域は他の基準を満たしていても長期優良住宅の認定を行わない、または何らかの必要な措置を講じる必要があるとされました。
今回は新築一戸建ての基準をご紹介します。
- 劣化対策
木造は床下・小屋裏に点検口を設置し床下空間の有効高さ330mmを確保すること、鉄骨造は防錆措置や木造と同様の措置を取ること、RC造は水セメント比を5%低減またはかぶりの厚さを1cm増加することなどの措置を行い、劣化対策等級3以上にすること
- 耐震性
耐震等級(倒壊等防止)等級1・安全限界変形 1/100(木造 1/40)以下、または耐震等級(倒壊等防止)等級2、または免震建築物であること
- 省エネルギー対策
断熱等性能等級4、ただし2022年10月から「ZEH相当」に引き上げ
- 維持管理・更新の容易性
維持管理対策等級(専用配管)等級3、または維持管理対策等級(共用配管)等級3、または更新対策等級(共用排水管)等級3であること
- 居住環境
地区計画、景観計画などがある場合、これらの内容に適合すること
- 住戸面積
少なくとも一つのフロアの床面積が40㎡以上、床面積の合計が75㎡以上
- 維持保全計画
屋根や壁、配管や雨どいなど、仕様に応じた点検の項目・時期や、点検の結果、必要に応じて補修等を行うなどを定めた維持保全計画が立てられていること
- 自然災害による被害の発生防止又は軽減への配慮
地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域は長期優良住宅の認定を行わない
また、災害危険区域や浸水被害防止区域、洪水浸水想定区域などは認定しない、または必要な措置などを講じた場合のみ認定する
認定されるメリット
長期優良住宅に認定されると、住宅ローン控除の最大控除額が一般住宅よりも増える、登記の際にかかる登録免許税、不動産取得税や固定資産税などの税金が軽減されるなどのメリットがあります。
また、住宅ローン金利の優遇、地震保険の割引、補助金などを利用できることがあります。
まとめ
長期優良住宅の認定には時間とコストがかかり、家を建てた後もメンテナンスの手間がかかるなどデメリットもあります。メリットとデメリットを見比べ、認定を受けるかどうか検討してください。また、長期優良住宅の認定を受ける際は、実績豊富な業者を選ぶようにするとよいでしょう。