車の停め方、予算、寸法などを考慮した、新築に駐車場を作る際の注意点4つ。
新築に駐車場を作る際の注意点をご紹介します。
駐車場は生活のしやすさを左右する
駐車場はリビングなどのように生活に直結する場所ではないうえ、車好きの方以外は「停められればいい」という感覚を持つ場所です。
庭の広さや家の広さ、フェンスのデザインなどのほうが重視され、駐車場は後回しという方も多いのではないでしょうか。
しかし、車の出し入れがしづらいと外出のストレスが増えるというだけではなく、車をぶつけて門柱やフェンス、外壁などの傷をつけてしまうかもしれません。
生活に直結しない場所ではありますが、使い勝手が悪いと生活がしにくくなるので、しっかりと計画する必要があります。
1:車の停め方は出し入れのしやすさを考慮する
車の停め方は道路に対して直角に駐車する「直角駐車」と、道路に対して車を並列して駐車する「並列駐車」の二つがあります。
直角駐車は右折や左折と同じ動作で駐車できるため、運転に自信がないという方でも比較的ストレスなく車の出し入れができます。
ただし、ポールやフェンスの配置によっては見通しが悪くなるので注意が必要です。
また、駐車場が面している道路の幅が狭いと車幅によっては出し入れできない可能性があるので注意してください。
並列駐車は運転に慣れていないと駐車が難しいと感じたり、車を出せる方向が一定になってしまったりというデメリットがありますが、駐車場の奥行きを取らなくてよいというメリットがあります。道路側から乗り降りできる環境であれば使い勝手もよいでしょう。
車を複数所有している場合、直角駐車で横並びできる状態にしたり直角駐車と並列駐車でL字状に並ぶようにするなど、どこに停めても道路にアクセスできるよう計画するとよいでしょう。
2:設置費用の安さだけで形式を選ばない
駐車場は「一度作ったらメンテナンスはいらない」というわけではありません。カーポートの屋根が破損したり、ガレージのシャッターが壊れたりすることがあるほか、駐車場の舗装がへこんだりすることもあるので、意外とランニングコストがかかります。
例えば、駐車場を屋根も柱もないオープン式にして舗装は低価格な砂利にすると「車が雨ざらしで傷や汚れだらけになる」「轍ができて出し入れしにくい」「水たまりができる」といったトラブルが予想されます。カーポートを後付けしたり、砂利をどけてコンクリートで舗装したりすると余分なお金がかかってしまいます。
また、オープンタイプの駐車場やゲートなどを設けていないカーポートは防犯性が低いため、高価な車は盗難被害に遭う可能性が高くなります。高価な車を止める場合、費用は高くなってもガレージなどの防犯性が高い形式を選んだ方がよいでしょう。
設置費用の安さだけで駐車場の形式を選ぶとかえって損をすることがあるので、屋根や舗装、柱などの耐久性、防犯性などを考慮し、最適な形式を選びましょう。
3:駐車場は広めに確保
駐車場を車の実寸サイズそのままの大きさで作ってしまうと乗り降りがしにくく、駐車もしにくいです。
また、駐車場が狭いと家族が増えたり、車いすを利用するようになったりといった変化にともなって車を買い替えるときに車種が限定されてしまうかもしれません。
駐車場を作るときは幅や奥行きにある程度の余裕を持たせ、広めに作ることをおすすめします。
ちなみに、財団法人駐車場整備推進機構によると、軽自動車は奥行4.0×幅2.2m以上、小型自動車は奥行5.0×幅2.6m以上、普通および大型車は奥行5.9×幅2.9m以上、車椅子同乗の場合は奥行6.0×幅3.5m以上が一台分の目安となっています。
ガレージやカーポートにタイヤ置き場やメンテナンスグッズを一緒に保管したいという方はさらに広い空間を確保する必要があります。
4:家の出入り口との動線を意識する
お米や飲料水などの重い物を買いに行ったとき、駐車場と家の出入り口が遠いと重い荷物を持って長時間歩かなくてはなりません。
また、雨が降っているときや雪が積もっているときなど、出入り口との距離が長いと濡れてしまったり、雪かきの負担が増えてしまったりします。
駐車場と家の出入り口は距離をできるだけ短くしましょう。
立地の関係で家の玄関と駐車場が反対側になるという場合は勝手口などを設けてもよいかもしれませんね。
まとめ
交通網の発達した都市部に住んでいる人にとって車は「なくても生活できるもの」かもしれませんが、郊外に住んでいる人や乳幼児、高齢者などがいる家庭にとって車は「生活必需品」のような存在です。
使用頻度も自然と多くなるため、駐車場作りに失敗するとストレスが積もってしまいます。設計によっては事故なども起こしやすくなるので、寸法や駐車方法などを考慮した使いやすい駐車場を作りたいですね。