「広いほうがいい」は本当?クローゼットの奥行きの決め方
クローゼットの奥行きの決め方についてご紹介します。
使い勝手のよいクローゼットの奥行きとは
部屋一つをクローゼットとして使うウォークインクローゼットは、衣類やバッグをたくさん収納できるというメリットはあるものの、土地にある程度の余裕がないと作ることはできません。
こんなときに活躍するのが、壁の一部をクローゼットにする壁面クローゼットです。
収納量はウォークインクローゼットよりも劣るものの、広いスペースがなくても設置することができるほか、個室に設置すればウォークインクローゼットを共用するよりもプライバシー性が高くなります。
一般的なクローゼットの奥行きは45~60cm
集合住宅か一戸建てかなどによって違いはありますが、一般的なクローゼットの奥行きは45~60cmが多いといわれています。
45cmは大人の肩幅程度の広さですので、ハンガーを使って服をかけることができるギリギリのサイズということになります。
コートなどの厚みがある服などは身幅が45cm以上になりますので、45cmしか奥行きがないクローゼットには収納できません。
奥行きが55cm程度あればたいていの衣類は収納できますが、クローゼットのドアと衣類の距離が近く、見た目がすっきりしません。また、収納ボックスをクローゼットのなかに置きたいという場合、商品の選択肢が少なくなってしまいます。
奥行きが60cmあればカバーをかけた状態のコートやバッグも収納でき、収納ボックスの選択肢の幅も広くなります。
衣類の収納をメインに考えるなら、60cmが効率的に使えてスッキリ見える理想の奥行きといえるでしょう。
布団を収納するなら75~80cm
クローゼットのなかに衣類だけではなく布団も収納したいというときは、奥行きが75~80cm程度あるとよいでしょう。
これは、一般的なサイズの布団を三つ折りにするとだいたい75~80cmになるためです。
しかし、奥行きが75cmの場合布団を収納するとかなりギリギリになってしまいます。ホームセンターなどで販売されている布団を置くためのスノコも78cm程度で作られており、75cmでは布団収納にはやや不便です。
一方、奥行きが80cmあると布団収納は楽になりますが、布団を収納している部分以外はデッドスペースになりがちですので、奥行きを有効に使う工夫が必要になります。
また、近年は四つ折りにできる布団も販売されています。四つ折りであれば奥行きが60cmのクローゼットでも収納可能ですので、「布団を収納したいけれど奥行きの深いクローゼットは避けたい」という場合は布団を四つ折りタイプにするとよいでしょう。
奥行き80cm以上は使いづらい
奥行き80cm以上になるとクローゼットというより「押し入れ」に近いイメージになります。
奥行きがあって収納力は高いといえますが、奥行きが深すぎてかえって使いづらい、デッドスペースが多くなるなどのデメリットがあります。
引き出しタイプの収納ボックスを置いても、奥が深い引き出しは使いづらいため、空間を有効に活用することができません。
まとめ
クローゼットの内寸が60cmだと、一見すると「狭い」と感じるかもしれませんが、衣類やバッグを収納するスペースとしては最も効率よく使うことができる奥行きになります。
「収納力があるクローゼットが欲しい」ということから奥行きが90cmあるクローゼットを作ったところ、使い勝手が悪くデッドスペースが増え、後悔しているという人もいますので、クローゼットを作るときは「なにを、どのように収納したいか」を考慮して奥行きを決めるとよいでしょう。
また、収納力がある広いクローゼットが欲しいというときは、奥行きを深くするのではなく幅を広げたほうが、居室スペースを圧迫することなく、より効率的で使い勝手のよいクローゼットとなります。