注文住宅で3階建ての家を作る。そのメリットとデメリット
注文住宅で3階建ての家を作るメリットとデメリットをご紹介します。
3階建てという選択肢
広い家に住みたいというのは誰もが持つ願いですが、土地代が高い都心部などで大きな家を建てられる土地を確保するのは難しいものです。
限られた土地に庭付きの一戸建てを作ろうとすると、どうしても住宅面積が狭くなってしまいますよね。
こんなときは3階建ての家を検討してみませんか?
3階建てのメリット
その1:土地を最大限に活用できる
土地にはそれぞれ、土地の広さに対して建物がおおっている面積の割合である「建ぺい率」と、その土地に対して建てることができる延べ床面積の割合である「容積率」が定められています。
簡単にいうと、100平米の土地の建ぺい率が70%、容積率が200%と定められている場合、家を建てられる土地の広さは最大で70平米、延べ床面積は最大で200平米です。
この土地に70平米分の家を建てた場合、一般的な2階建て住宅だと延べ床面積は70×2で140平米となるため、最大延べ床面積から考えると60平米分損をしていることになります。
しかし、3階建てでは70×3で210平米となるため、容積率いっぱいになる延べ床面積200平米の家を建てることができ、余地を最大限活用することができます。
その2:日当たりがよくなる
周囲の家がすべて3階建てであったり、高いビルやマンションに囲まれていたりする場合は別ですが、2階建ての住宅が多い一般的な住宅街の場合、3階建ての家は高い建物になります。
日当たりのよさは建物の向きと、周りに遮るものが有るか無いかで決まりますので、周囲の建物よりも高い3階建ての家は自然と日当たりがよくなります。
その3:空間の使い方に幅が出る
1階、2階、3階は、一つの建物のなかに存在する空間でありながら、それぞれ独立した空間ともいえます。
2階建ての場合、「来客などを迎えるややパブリックな空間」と「家族が過ごすプライベートな空間」という二つにしか分けることができませんが、3階建ての場合は空間が三つあるため、使い方に幅を持たせることができます。
例えば、1階を親世帯、2階を共用リビング、3階を子世帯とした二世帯住宅、1階を店舗、2階をリビング、3階を寝室などのプライベート空間とした店舗付き住宅などにすることもできます。
さらに、1階をビルトインガレージやDIY用の工作室にする、3階をアトリエにするなど、階層一つを「趣味のための空間」にしたり、視線が届きにくく展望がよいという3階の利点を活かした「大きな窓がある露天風呂風浴室」を作ったりするのもよいでしょう。
使える空間が一つ多いというだけで、ライフスタイルの幅が広がります。
3階建てのデメリット
その1:耐震性
建物に高さがあるため、地震が起きた際の揺れは2階建てよりも大きくなってしまいます。
建物自体の重量もあるため、2階建てよりも倒壊リスクが高いといわれています。
その2:コストが高くなる
3階建ての建物は、耐震性が低く倒壊リスクが高いということから構造計算が義務付けられており、構造計算にみあった構造や工法で建てなくてはなりません。
例えば木造住宅の場合、2階建て住宅よりも柱や梁が太い、より強固な金属接合を採用する、耐力壁が多いといった構造になります。
また、鉄骨造の場合は軽量鉄骨ではなく重量鉄骨を採用するなどになり、木造でも鉄骨でもコストが高くなってしまいます。
ただし、考えようによっては「構造計算をしていない2階建てよりも、耐震性が保証されている」といえるかもしれません。
その3:生活に不便を感じやすい
3階建てのデメリットとしてイメージしやすいことといえば、やはり「階段の上り下りが面倒」ということではないでしょうか。
とくに、掃除機や洗濯物を持って1階から3階まで移動するなど、考えただけで少し億劫ですよね。
また、若いうちは階段の上り下りがそれほど苦でないとしても、高齢になったときは階段がつらくなることが多く、3階部分を丸々使用しないということも珍しくありません。
3階建てにする場合、リビング、トイレ、浴室などの配置、生活動線の計画はより慎重に行う必要があるでしょう。
トイレや浴室を複数設置する、ホームエレベーターを設置するなどすれば、生活の不便を感じにくくなるほか、将来「3階部分を賃貸に利用する」といった活用も可能です。
まとめ
狭い土地を最大限に活用し、ライフスタイルの幅を広げることができる3階建の家は、都市部の狭小宅地では特に大きなメリットをもたらします。
しかし、コスト面や生活面などのデメリットも多いため、検討するときは10年後、20年後など、長期的なライフプランを見すえる必要があります。
また、土地によっては高さ制限が設けられているなど、3階建ての家を建てられないこともありますので、3階建の家を建てたいと考えている方は、土地の条件をよく確認してから土地を購入することをおすすめします。