知らないと損!屋根素材の種類と特徴
知らないと損をする、屋根素材の種類と特徴をご紹介します。
屋根の素材は大きく分けて4種類
家の中からは見えず、家の住み心地に直接関係している印象がない「屋根」は、家の外観をどのようなイメージにするかという基準だけで選ばれがちです。
しかし、屋根は夏の高温や梅雨の長雨などから住宅を守る重要な役割を持っており、ある意味「家のなかで最も重要な部分の一つ」といえます。
屋根の素材は大きく分けて「粘土系」「セメント系」「スレート系」「金属系」の4つに分けることができますが、それぞれ異なる特徴を持っています。
粘土系
粘土系を主原料とした土を成形・焼成して作る屋根材で、一般的には「瓦」と呼ばれるものです。
焼成前に「釉薬(ゆうやく)」をかけ、カラフルに仕上げた「釉系」と、釉薬をかけずに焼成し、ナチュラルな風合いを出した「無釉系」に分けられるほか、形状やデザインによって「和瓦」「洋瓦」「琉球瓦」などに分けることができます。
粘土系屋根材の特徴は、ほかの屋根材に比べて重みがあるため、遮音性に優れていることです。耐久性も高く、和瓦は50~100年近い耐久性があるといわれています。
耐熱性や断熱性にも優れていますが、重みがあるため耐震性に劣る、地震や台風などの災害時に瓦がズレたり、落下したりすることがあるというのがデメリットです。
ただし、近年は軽量化された瓦や、ズレ、脱落しにくい「防災瓦」も開発されているため、製品の選び方次第でデメリットを減らすことができます。
セメント系
一般的な瓦は粘土で作られていますが、セメントと砂を原料に瓦を作ることもあります。
セメントと砂が原料の「プレスセメント瓦」と、セメントの量が少ない「コンクリート瓦」の2種類があり、加圧成型後にフッ素樹脂塗料などで着色した塗装タイプと、塗料を塗っていない無塗装タイプがあります。
粘土系の瓦同様、さまざまな形に成形することが可能なうえ、塗料の色を変えることでさまざまなカラーバリエーションを展開することができ、粘土系の瓦よりも価格が安く施工性に優れている点が特徴です。また、防火性が高いこともメリットといえるでしょう。
しかし、表面塗装が剥がれると防水性が低下してしまうため、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
塗装の種類によって耐久性は異なりますが、15年に一度はメンテナンスを行わなくてはならないことが多いといわれています。
また、衝撃に弱いため割れやすく、施工費は粘土系の瓦より安くても、メンテナンス費用が高くなる可能性があります。
現在、新築の家ではあまり利用されていない屋根材です。
スレート系
セメントに繊維を混入して強化したスレート系の屋根材は、セメント系屋根材の「割れやすい」「耐水性が落ちる」といったデメリットをなくした屋根材です。
「化粧スレート」「カラーベスト」「スレート瓦」「軽量スレート瓦」「コロニアル」などの名前で呼ばれ、色やデザインも豊富にそろっています。
また、表面に特殊な塗装を施すことで耐久性、耐候性を高めたもの、遮熱性を高めたものもあります。
粘土系、セメント系の屋根材に比べると軽量なため、耐震性にも優れているのも特徴です。
ただし、製品によって価格や性能が大きく異なるため、製品ごとをしっかり比較検討して選ぶ必要があります。
また、色のバリエーションは多いものの、全体的に単調なイメージになりやすく、オリジナリティを出しにくいのもデメリットです。
金属系
アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板である「ガルバリウム鋼板」や、アルミニウム、銅などの金属を使った屋根は、瓦やスレートに比べて軽く、施工性が高いことから複雑な形状の屋根にも対応することができます。
なかでも、塗膜が強化されたガルバリウム鋼板は、遮熱性に優れたタイプや酸性雨、サビ、紫外線に強いタイプもあるほか、天然石のチップをコーティングしたデザイン性の高い製品や、和瓦のようなフォルムの製品も開発されています。
全体的に耐久性が高く、メンテナンスもあまり必要ない、デザインや色が豊富というメリットがありますが、素材そのものの熱伝導率が高いため、断熱材がついていない製品は「夏は熱く、冬は寒い」家になりやすいのがデメリットです。
また、遮音性が低いため雨音が気になることがあります。
まとめ
屋根は素材の種類はもちろん、素材が同じでも製品によって性能に違いがありますので、機能性、メンテナンス性、品質、価格など、さまざまな面から見て総合的に判断する必要があります。
また、デザインを選ぶときはカタログや小さなサンプルではなく、実物大サンプルや、同じ屋根材を使用している住宅を実際に見てみることおすすめします。
注文住宅の屋根選びでお悩みの方は、一度弊社にご相談ください。