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住宅ローン減税中に繰り上げ返済はしたほうがいいの?

住宅ローン減税と繰り上げ返済

家を建てたり買ったりするときに利用する「住宅ローン」の返済方法は、「毎月返済」と毎月返済に加えてボーナス月に多く返済する「ボーナス返済」、自分の好きなタイミングにまとまった額を返済する「繰り上げ返済」の三つがあります。

繰り上げ返済は元金を直接減らす効果があるため、住宅ローンの総支払額軽減効果が高いといわれていますが、住宅ローン減税中は利用すると損をすることがあると言われています。

繰り上げ返済とは

住宅ローン返済の基本となる「毎月返済」や、毎月返済と組み合わせて利用できる「ボーナス返済」は、元金と利息を合わせた金額を支払う方法です。そのため、毎月10万円支払っているとしても、うち2万円が利息に充てられていたら元金は8万円分しか減りません。

しかし、繰り上げ返済で支払った額には利息が含まれないため、10万円払えば元金が10万円減ることになります。

単純に説明すると、元金40万円を返済するには毎月返済では5回支払う必要があり、支払合計は50万円になるのに対し、繰り上げ返済なら支払回数は4回、支払総額も40万円ですむということです。

また、繰り上げ返済には「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2通りがあり、繰り上げ返済を行うことで住宅ローンの返済期間を短くしたり、期間はそのままで毎月の返済額を軽減したりすることができます。いずれの場合も利息分が減るので総支払額の節約に繋がります。

住宅ローン減税とは

住宅ローン減税は、住宅ローンの残高から計算した額を所得税から控除する制度で、正式には「住宅ローン控除」といいます。制度を受けられる期間は最大13年で、床面積や耐震性などのほか、住宅ローンの借り入れ期間が10年以上あることが制度の適用条件となっています。

減税期間中の繰り上げ返済

住宅ローンの繰り上げ返済は元金を減らすだけではなく、方式によっては期日短縮になります。将来的に発生する利息を減らすことで総支払額を抑えることができます。

しかし、住宅ローン控除の額はその年の年末にローン残高がいくらかであるかを基準に決定するため、元金が少ないと控除額も少なくなってしまいます。

また、返済期日短縮型の繰り上げ返済は、繰り上げ返済によって借り入れ期間が10年以下になると住宅ローン控除制度の対象外となってしまうので注意が必要です。

減税期間中に繰り上げ返済したほうが得か、しない方が得かは返済額と金利、借り入れ期間、返済型などによってわかるため、一概に「減税期間中の繰り上げ返済は損」ということはできませんが、住宅ローンの金利が低いと繰り上げ返済のメリットは少なくなるため、損になる可能性が高いといえます。

金融機関などのシミュレーションを行うことで損か得か判断することができますが、金利が低い現在、減税期間中の繰り上げ返済は避けたほうがよいといえるかもしれません。

まとめ

繰り上げ返済は税金面で損をする可能性があるというだけではなく、手持ち資金が大幅に減る、繰り上げ返済に手数料がかかる場合、回数や額によってはかえって損をするなど注意すべきポイントがいくつかあります。

繰り上げ返済の利用を検討するときはデメリットにも注目し、損か得か、どのようなリスクがあるかを見極め、慎重に判断してください。

 

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