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住宅ローンの返済方法、どっちがお得?元利均等返済と元金均等返済の違いについて。

住宅ローンは複雑

家を買うときや建てる時、ほとんどの人が利用する住宅ローンは、返済額が大きく返済期間も長期にわたるため、途中で返済できなくなるのを防ぐためにさまざまな返済方法を用意しています。

返済方法の種類が多いと自分のライフプランに合わせて選ぶことができる反面、返済方法ごとのメリットやどの方法が得なのか判断しづらくなってしまいます。

今回は、数宅ローン返済方法の基本「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いをご紹介します。

住宅ローンの元金と利息

ローンを利用せず一括で住宅を購入する場合、3000万円の家は3000万円+税で購入することができます。

しかし、ローンを利用する場合、住宅購入費用として借り入れた「元金」と、借入額に金利をかけた「利息」を合わせた額を返済しなくてはなりません。

また、金利は全返済期間で金利が変化しない「固定金利」と、一定期間ごとに金利が見直される「変動金利」があります。変動金利は総返済額がいくらになるか予測できないため、今回は「固定金利」で借り入れたケースで比較します。

元利均等返済

元利均等返済は「元金」と「利息」を合算した金額を返済期間で均等割りにし、毎月同じ額を返済していく方法です。

例えば、住宅金融普及協会の住宅ローンシミュレーションを使って、元金3000円、金利0.5%、期間を35年、元利均等返済で計算すると、元金と利息を合わせた額は約3271万円になります。これを返済期間420か月で割ると、ひと月当たりの返済額は約7.8万円となり、全期間通して7.8万円を返済していきます。

返済額が一定なので固定費の計算がしやすい、将来の生活設計がしやすいのが大きなメリットですが、利息が優先的に返済されるため元金が減りにくいというデメリットがあります。何らかの事情で家を売却しなくてはならないという事態になった場合、ローンが残る可能性が高いと言えるでしょう。

総支払額の計算 | 一般財団法人 住宅金融普及協会

元金均等返済

元金均等返済は元金を返済期間で均等割りした額を毎月の固定金額とし、そこに残りの借入額から計算した利息を合わせた額を返済する方法です。

例えば、元金が3000万円だと毎月固定でかかる元金分は約7.2万円です。残り借入金額が3000万円の返済初月は、3000万円から計算した利息約1.2万円と固定金額を合計した約8.4万円が月の返済額となります。元金の返済が半分終わった211か月目は残り借入金額1500万円を元に利息を計算するため、額は約0.6万円になり、月の返済額は固定金額と合計した約7.8万円、最後の返済となる420か月目は利息がかからないため返済額は約7.2万円になります。

このように、元金均等返済は返済額が変化するため固定費の計算がしにくいというデメリットがあります。返済初期は金額負担が大きいのもデメリットといえるでしょう。

しかし、元金均等返済は元利均等返済に比べると総返済額が安くなります。上記の条件でローンを組んだ場合の総返済額は3263万円となり、元金均等返済のときより8万円ほど少なくなります。

まとめ

元利均等返済と元金均等返済では、総支払額を比較すると元金均等返済のほうが得です。金利が高ければ高いほどこの差は大きくなります。

しかし、金利が低いと総返済額の差は小さくなります。そのため、金利が1%を下回る場合は、人生設計の立てやすさなどのメリットが大きい元利均等返済の方が良いといわれています

 

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