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住宅浸水など、災害時に必要な罹災証明書とは?どこで発行してもらえる?発行基準は?

罹災証明とは

罹災証明は洪水や地震などの自然災害や火災の被害に遭った際、どの程度の被害を受けたかを証明するものです。火災保険を使ったり、義援金や被災者生活再建支援金の受け取り、被災者向けの融資制度利用、税金などの減免・猶予といった被災者支援を受けたりするときに提出を求められることがあるため、災害などの被害に遭ったら忘れずに申請しておきましょう。

対象と被害認定

罹災証明書は暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象、大規模な火事、爆発などの災害で起こる「家屋建物の被害」「人的被害」「農業用施設・設備の被害」を対象としています。車や家具といった家財の被害は対象となっておらず、これらの被害を証明したいときは「被災証明書」を発行する必要があります。

 

家屋建物の被害は、罹災証明の発行申請の後に被害状況調査が行われ、被害の程度や内容によって「全壊」「大規模半壊」「半壊」「一部損壊」「床上浸水」「床下浸水」「全焼」「半焼」に認定されます。また、罹災証明の発行基準を満たさない程度の被害の場合、被害を受けたことを証明する「被災証明書」が出されることがあります。

 

【認定基準】

全壊

・全部が倒壊

・補修しても元通りに居住が困難

・損壊した部分の床面積が延べ床面積の70%以上

・家の主要な構成要素の経済的損害が住家全体の50%以上

大規模半壊

・大規模な補修をしなければ元通りに居住が困難

・損壊した部分の床面積が延べ床面積の50%以上70%未満

・家の主要な構成要素の経済的損害が住家全体の40%以上50%未満

半壊

・損壊は大きいが補修をすれば元通りに居住できる

・損壊した部分の床面積が延べ床面積の20%以上50%未満

・家の主要な構成要素の経済的損害が住家全体の20%以上40%未満

一部損壊

・全壊・半壊に至らない程度の損壊で、補修を必要とする

・損壊した部分の床面積が延べ床面積のの20%未満

・家の主要構成要素の経済的損害が住家全体の20%未満

床上浸水

・床より上に浸水

・土砂などが流れ込んで一時的に居住できない

床下浸水

・床上浸水に至らない程度に浸水

全焼

・火災によって「全壊」の程度に損壊

半焼

・火災によって「半壊」の程度に損壊

発行の流れ

災害の場合は各市区町村、火災の場合は所轄の消防署に発行申請を行います。申請期限は、災害の規模や自治体によって異なりますが、災害発生から3か月を期限としていることが多いです。ただし、1か月程度(岐阜市は1ヶ月以内)を期限としていることもあるため、発行を受けたい場合は、できるだけ早めに窓口に問い合わせるか、自治体のサイトや広報で確認してください。

窓口で発行申請を行い、調査員による現地調査が行われたあと罹災証明が発行されます。調査から発行まで最低でも一週間以上かかり、地域の被害状況によっては1か月以上かかることもあります。

 

【申請に必要なもの】

  • 罹災証明交付申請書

市区町村窓口やホームページから入手できます。

  • 被害状況が確認できる写真

被害の状況が正確にわかるよう、複数の方向から撮影した写真を持参。居住のために片付けなどを行う場合、片付ける前の状況を撮影してください。

また、外観だけでは被害状況が分かりにくい場合は、内部も撮影する必要がありまが、倒壊の恐れがある場合は無理に内部に入らないようにしましょう。

  • 身分証明書

本人確認のために必要です。自治体によって必要なものを指示される場合があるので、事前に確認しておきましょう。

また、身分証明書などが消失して持参できない場合は、事前に連絡して相談してください。

まとめ

罹災証明は無料で何枚でも取得可能です。義援金受け取りや各種支援の申請のたびに提出しなくてはならないことが多いので、多めに発行しておくとよいでしょう。

また、罹災証明が発行されていない状態で罹災証明が必要な手続きを行いたい場合は、罹災届出証明書を発行してもらいましょう。

 

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