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繰り上げ返済は住宅ローン減税が終わってからと思ってませんか?お得に返す判断基準3つ。

住宅ローンの繰り上げ返済

「繰り上げ返済」は通常の返済とは別に任意のタイミングで返済することです。

繰り上げ返済には返済期間を短縮する「期間短縮型」と、元金を減らすことで通常の返済額を軽減する「返済額軽減型」の二種類がありますが、いずれの場合も繰り上げ返済を行わなずに完済したときよりも総返済額が少なくなるというメリットがあります。

しかし、繰り上げ返済をすると貯蓄がなくなり、生活に支障が出ることもあるなどのデメリットがあるほか、返済のタイミングなどによっては損することもあります。

繰り上げ返済のタイミングはどのような基準で判断すればよいのでしょうか。

ローン金利

繰り上げ返済がお得かどうかを判断する基準のなかで最も重要なポイントとなるのは「金利がどの程度か」です。

金利が高いということは、元金が多く、返済期間が長くなるほど総返済額が増えるということですので、繰り上げ返済によって元金を早く減らしたり返済期間を減らしたりする効果が高くなります。

一方、金利が低い場合は繰り上げ返済による経済的な負担軽減効果は低くなります。

 

例えば、借入総額が3110万円で返済期間が30年の場合、金利が0.5%であれば総返済額は3349万7090円、金利が1.0%であれば総返済額は3601万596円となります。

返済開始から10年目に「返済額軽減型」で100万円の繰り上げ返済を行うと、総返済額を金利0.5%であれば5万834円、金利1.0%であれば10万3311円減額することができます。

総返済額が減るのは確かですが、金利が低い場合は繰り上げ返済の効果が少ないうえ、貯蓄額が減るなどのデメリットのほうが目立ってしまうため、金利が低い場合は繰り上げ返済をしないほうがよいでしょう。

返済する時期や借入額などによっても異なりますが、繰り上げ返済の効果が大きくなるのは金利1.0%以上からといわれています。

貯蓄額やライフステージ

住宅ローンは元金を早く減らしたほうが総返済額が少なくなるため、繰り上げ返済は早い時期に行ったほうが効果が高くなりますが、一定の効果を得るためにはある程度まとまった金額を返済する必要があります。

そのため、貯蓄額に余裕がないときや、大きな出費が必要になりそうな時期に繰り上げ返済を行うと生活費などが足りなくなり、住宅ローンよりも金利の高いローンを組んだり借り入れを行ったりすることになって損をする可能性があります。

繰り上げ返済をすれば貯蓄がなくなってしまう、子供の進学などで大きな出費が予想されるなど、ライフステージによっては繰り上げ返済を避けた方がよいでしょう。

住宅ローン減税との比較

住宅ローン減税は住宅ローン残額に応じて所得税を控除する制度です。そのため、住宅ローン減税の適用期間に繰り上げ返済を行うと控除額が減ってしまいます。

また、期間短縮型の繰り上げ返済の場合は住宅ローン減税の適用要件である「借り入れ期間が10年以上」よりも返済期間が短くなってしまい、減税を受けられなくなるケースもあります。

住宅ローン適用期間中は、繰り上げ返済を行った場合と住宅ローン減税を最大限利用した場合を比較して損をしない方を選ぶとよいでしょう。

まとめ

繰り上げ返済の効果は金利や返済期間、借入金額、繰り上げ返済の方式などによって変わります。場合によっては損をするだけではなくリスクもあるため、安易に判断せず、ファイナンシャルプランナーなどに相談したり繰り上げ返済シミュレーションなどを行ったりして判断するとよいでしょう。

 

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