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隣地買収とは?買収価格の出し方と買収のメリット3つ。

隣地買収の買収価格の出し方と買収のメリットをご紹介します。

隣地買収とは

隣地買収とは、文字通り「隣の土地を買うこと」で、「隣地購入」と呼ぶこともあります。

昔から「隣の土地は倍出して買え」「隣の土地は借金してでも買え」「隣の土地は言い値で買え」などといわれており、買うことによって様々なメリットを得られるといわれています。

実際に隣地買収を検討する場合、価格はどの程度で、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

買収価格の出し方

昔から「言い値で買え」などと言われている隣地ですが、物には「適正価格」が存在しますので、法外な値段でも買えばよいというわけではありません。

では、隣地買収の適正価格とはいくらなのでしょうか。

一般的な土地は不動産屋などの「公開市場」で売買されています。公開市場に出された土地は誰でも自由に購入することが可能ですが、購入した人は基本的に「不動産を取得する」以外の恩恵を受けることがありません。

しかし、隣地買収では土地を購入することで第三者が土地を購入するときには得られない恩恵を受けることができます。

このように、特定の人同士で取引をすると通常は得られない付加価値が発生する市場を「限定市場」といい、限定市場では付加価値分を考慮した「限定価格」で取引が行われます。隣地買収では付加価値が上乗せされるため、公開市場価格よりも限定価格の方が高額になります。

例えば、旗竿地を所有しているAさんと、Aさんの土地Aに囲まれるような形の小さな土地Bを所有しているBさんがいるとします。

Bさんが土地Bを売りに出したとき、公開市場で土地Bの資産価値は「小さな土地」分の価値しかありません。

しかし、土地BをAさんが購入するとAさんは土地Aと土地Bの土地を合わせた土地Cを手に入れることができます。

土地Cは土地Aよりも地形がきれいで土地Bよりも大きいため、土地Aの資産価値+土地B資産価値よりも資産価値が高くなり、この資産価値の上がった分を「増分価値」と呼びます。

隣地買収価格は「増分価値」のうち「土地Bの購入による影響はどの程度か」を考慮した金額を出し、公開市場価格に上乗せした金額となります。

 

買収のメリット

1.土地の間口を広げることができる

隣地を購入すると土地が道路に接している幅、つまり間口が広くなります。

特に、旗竿地の人が道路に面した隣地を買収したり、角地を買収した場合などは土地の間口が大きく広がって使い勝手がよくなります。

 

2.二世帯住宅など大きな家を建てたり駐車場などに利用できる

隣地を購入すると購入した分だけ土地が広がるため、それまでは小さな戸建て住宅しか建てられなかった土地に二世帯住宅を建てられるようになったり、賃貸用のアパートが建てられるようになったりします。

また、居住用の家ではなく駐車場にしたり、物置などを設置したりするなど土地の活用幅が多くなります。

 

3.地形がよくなり資産価値が上がる

今ある土地を隣地と併合することで旗竿地や三角地などの地形がよくなったり、角地ではなかった土地が広い面積を持つ角地になったりすると資産価値が高くなり、土地を手放すことになった場合も高値で売却できる可能性が高まります。

 

まとめ

隣地買収を行うと資産価値が高くなることが多いため、買収価格は公開市場に出されたときよりも高くなるのが一般的です。

しかし、優先的に交渉できるので公開市場よりも土地を手に入れやすく、確実性が高いといえます。

公開市場に出すよりも早く売却できるなど売り手にもメリットがあるので、売り手が土地の売却を急いでいる場合などは交渉次第でお得に土地を購入できる可能性があります。

 

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