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外構や玄関にスロープを設置する際のポイント5つ。

外構や玄関にスロープを設置する際のポイント5つ。

スロープを設置する際のポイント

一般的に、住宅の玄関は基礎の高さ分だけ地面より高い位置にあるため、屋内と屋外を行き来するためには段差を上らなくてはなりません。

しかし、段差があると車いすやベビーカーが利用しづらく、子どもが生まれたときや歳を取ってから家の出入りにストレスを感じるようになります。

外構や玄関にスロープを設置しておけば、車いすやベビーカーの利用がしやすくなり、ライフスタイルが変化しても過ごしやすいバリアフリーな家を作ることができます。

 

幅をゆったり設計する

家の外にスロープを作るとスロープの分だけ庭や駐車スペースなどが狭くなるため、できるだけコンパクトに作りたいと考えるかもしれません。

しかし、スロープの幅が狭いと脱輪しやすいだけではなく、車いすの規格によっては通ることができないかもしれません。

JIS規格によると、車いすの幅は手動なら63cm、電動なら70cm以下と設定されていますので、80cm程度の幅があればほとんどの車いすは通ることができます。

しかし、スロープの場合は事故を防ぐためにももう少しゆとりを持たせた幅90cmで設計するとよいでしょう。

また、スロープに手すりをつけるなら手すり分の幅をプラス。人とすれ違える設計にする場合は幅を120cmにするとよいでしょう。

 

スロープの傾斜に注意

スロープの傾斜をゆるくするとスロープが長くなるため、スロープを短くするために傾斜をきつくしてしまいがちですが、スロープの傾斜がきつすぎると上っている途中で疲れてしまうだけではなく、傾斜によっては上れなくなってしまいます。

スロープを設置したけれど傾斜がきついから使っていないということになれば、設置したスペースや費用が無駄になってしまいますので、使いやすい傾斜のスロープを設計しましょう。

スロープの基本的な傾斜は「10度」です。車いすでも歩行でも移動しやすい傾斜ですので、車いすの方が自分で移動するときも、介助者が押して歩くときも比較的楽に進むことができます。傾斜が5度であればさらに楽になります。

ただし、傾斜10度のスロープを作るために必要な長さは段差の6倍です。段差が30cmならスロープの長さが180cm必要になるということですね。

傾斜を15度にすればスロープの長さを短くすることができますが、10度よりも傾斜がきつくなるため手動の車いすでの移動は難しくなります。15度以上は電動でも上れなくなる可能性があるのでおすすめしません。

 

床は滑りにくい素材を選ぶ

屋外に設置するスロープは人目につく場所なのでできるだけ見た目よく仕上げたいものですが、雨などで濡れたときに滑りやすい素材を使用していると転倒事故の原因となります。

スロープの床は見た目も大切ですが、滑りにくさも重視して選ぶようにしましょう。

また、水はけがよい素材を選び、排水のための水なども設けておくとスロープを使用するときに足元が濡れたり汚れたりするのを防ぐことができます。

 

夜に備えてフットライトを

夜間スロープを利用するとき、足元が暗いとスロープの幅がわかりにくく踏み外してしまう可能性があります。

夜間の使用に備えて照明を用意しておきましょう。

上から照らすタイプの照明でも移動はできますが、上からの明かりでは足元に影ができてしまいますのでフットライトがおすすめです。

 

屋根や手すりをつける

距離の長いスロープを利用した移動は徒歩で階段を数段上がるよりも時間がかかります。

そのため、途中で疲れてしまったり、雨の日は濡れる時間が長くなったりします。

疲れたときに休むことができる手すりや、雨の日に濡れるのを防ぐ屋根を設置しましょう。

いずれも「必須」というわけではありませんが、手すりや屋根があるのとないのでは使い心地が圧倒的に違います。

 

まとめ

外構や玄関のアプローチは外出をするときには必ず使用する部分です。

利便性が低くストレスや負担が大きいと「引きこもり」などの原因となり、気力の低下や生活の質の低下などに繋がる可能性がありますので、できるだけ使い心地のよい環境を整えられるようにしたいものです。

「今はベビーカーも車いすも使わないからスロープは必要ない」という場合も、リフォームでスロープを設置しようとすると、土地の形状や玄関の向きなどによっては設置ができなかったり、傾斜がきつくて使いにくいスロープになって利することがあるので、新築する段階で設置するか、「将来、スロープを設置する」という前提で外構の計画を立てておくとよいでしょう。

 

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