木造住宅の内壁の種類で真壁(しんかべ)と大壁(おおかべ)の違いは何ですか?
木造住宅の真壁(しんかべ)と大壁(おおかべ)の違いについてご説明します。
真壁と大壁の違いは「柱」
木造住宅の内壁の種類である「真壁(しんかべ)」と「大壁(おおかべ)」の違いは、簡単に言うと「柱が見えるか見えないか」の違いです。
柱が見える「真壁」は、日本で古くから使われてきた様式で、古い日本家屋、茶室、城郭の内側などに見られます。
一方、壁で柱や梁を隠した「大壁」は、洋室や戦後に建てられた住宅の和室つかわれている様式です。
また、真壁と大壁の違いは、単に見た目が違うだけではなく、それぞれが違った特徴や魅力を持っています。
でき上がる部屋の雰囲気が違う
伝統的な「和」の雰囲気を持つ「真壁」は、何といっても純和風な部屋や「町家」と呼ばれる京風の住宅のほか、大正モダン建築や明治時代の「西洋館」のような、和と洋が融合したレトロな雰囲気の内装を目指したい場合に最適です。
また、無垢材を使った家であれば、「真壁」の方が木の風合いをより楽しむことができます。
一方、「大壁」は柱や梁が見えないので、現代的な和モダン、一般的な洋室、スタイリッシュは雰囲気の部屋に最適です。
壁の厚みと断熱性が違う
柱をパネルで覆って仕上げる「大壁」は、壁の厚みが柱の太さより少し分厚くなります。
そのため、部屋が少し狭くなってしまいますが壁の内側に充分な厚みの断熱材を入れることができます。
一方、柱の太さよりも壁が薄くなる「真壁」は部屋が少し広くなりますが、壁が薄いため「大壁」比べて断熱材が薄くなり、場合よっては断熱材を入れられないことがあります。
しかし、柱や梁が露出している分「大壁」よりも調湿性は高くなり、壁の内部が蒸れる可能性が低くなります。
柱が見えているのでメンテナンス性もよく、万が一シロアリが発生したも早期に発見することができます。
コストと施工時間が違う
「大壁」は柱をパネルで覆って上に壁紙を張る方法になるため、施工が簡単でコストを低く抑えることができます。
一方「真壁」は石膏ボードの上に漆喰などを塗る「塗り壁」や、石膏ボードなどに壁紙を張る「張り壁」になりますので、「大壁」に比べて手間がかかってしまいます。
また、柱や梁が見えるため、見栄えをよくするためには無垢材の場合は節がない「無節」や、節が少なく小さい「上小節」、集成材の場合は「化粧ばり構造用集成材」を採用することになります。
見栄えにこだわらないのであればコストを下げることができますが、見栄えよく仕上げたい場合はコストも高くなります。
まとめ
現在の建築基準法は「大壁」を基準で考えられていますので、「真壁」にする場合は間取りや設計に制限がかかることがあります。
一般的に、コストを抑えつつ手軽に高機能な家を作りたい場合は「大壁」が適しており、和の雰囲気を取り入れた家、木のぬくもりを感じられる家、無垢の木を使った家などは「真壁」が適しているといわれています
注文住宅で「真壁」か「大壁」か迷ったときは、弊社にご相談ください。