断熱材の種類によって特徴は変わりますか?
断熱材の種類とその特徴についてご説明します。
断熱材は大きく分けて2種類
光熱費の削減やエコの観点から注目が高まっている住宅の断熱は、主に壁、天井、床などに「断熱材」を使うことで実現します。
断熱材にはさまざまな種類があり、種類ごとに価格、特徴がありますが、大きく分けると「繊維系」と「発泡プラスチック系」の2つに分けることができます。
繊維系断熱材
繊維系断熱材は、ガラスや石などの無機物を原料とした繊維と、木、綿、毛などの有機物を原料とした繊維があります。
・グラスウール:極細のガラス繊維を使った断熱材。不燃性で比較的価格が安く、軽くて施工がしやすい、床・壁・天井などに使用できるといったことから普及している断熱材です。密度が高いほど断熱性能が上がるという特徴があります。
・セルローズファイバー:綿や新聞紙などの植物原料から取り出した繊維を使った断熱材。紙などの再利用で作られるためエコロジーですが、比較的高く、施工に時間がかかるというデメリットもあります。調湿性に優れているため、日当たりの悪い土地や河川が近い土地など、湿度が高くなりがちな土地に住宅を建てるときに適しています。
・インシュレーションボード:家の廃材をチップ状にした後、ボードに加工した断熱材。調湿性に優れ、消臭効果があること、木材のエコになることから人気があります。
・ロックウール:耐熱性に優れる鉱物を溶かして繊維状に加工した断熱材。防火性、耐水性、耐熱性、防音性に優れ、耐久性も高くシロアリの被害も受けにくいという特徴があります。用途が広く価格も比較的安いため使いやすい断熱材ですが、火災時や高温部分での使用はホルムアルデヒドが微量ですが発生する可能性があります。
発泡プラスチック系断熱材
発泡プラスチック系断熱材は繊維系断熱材に比べると、コストは高めですが断熱性に優れ、軽くて水に強いという特徴がありますが、シロアリ被害に遭いやすいという報告もあります。
・ビーズ式ポリスチレンフォーム:ポリスチレンの樹脂に発泡剤を混ぜて作った、気泡の入ったビーズを使った断熱材。水や湿気に強く、さまざまな形状、厚みを作ることができます。
・押出法ポリスチレンフォーム:ポリスチレン樹脂に難燃剤や発泡剤を混ぜ、押し出しながら成形した断熱材。断熱性能が高く、薄くても十分な断熱効果があるだけではなく、水に強く耐吸湿性に優れており、外張り断熱にも適しています。また、耐圧性が高いため、基礎や土間の断熱にも適しています。
・硬質ウレタンフォーム:細かい気泡で形成された断熱材で、ボード状のタイプと現場で吹き付けや注入が行えるタイプがあり、熱を伝えにくいガスが気泡に含まれているため断熱性に優れています。
・フェノールフォーム:フェノール樹脂に発泡剤などを加えてボード状に成形した断熱材。断熱性能が高いだけではなく、素材の安定性が高いため、耐薬品性、耐熱性、難燃性にも優れ、機能が落ちにくいという特徴があります。
まとめ
住宅の断熱性能は、どの断熱材を使うかによって決まる部分はありますが、最も重要なのは「隙間なくきちんと施工されること」です。
どんなに優れた断熱性を持つ断熱材でも、施工が悪く隙間が空いていれば断熱性は落ちてしまいますし、断熱性が低いといわれがちなグラスウールでも、断熱材の密度が高けれがすぐれた断熱性を発揮します。
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