高齢者が住みやすい、注文住宅のバリアフリーに必要な5つのポイント
高齢者が住みやすい、注文住宅のバリアフリーに必要な5つのポイントをご紹介します。
注文住宅のバリアフリーの家に必要なポイントとは
高齢者や車いす利用者が、一般的な住宅について不便・不満だと感じているポイントは、段差、階段、ドア、廊下の広さ、スイッチやコンセントの高さなどがあります。
逆を言えば、これらのポイントを解消することが、バリアフリー住宅にとって必要だと言えます。
ポイント1:住宅内の段差を減らす!
日本の住宅は段差が多いのが特徴です。
まず、日本では家に入る時に靴を脱ぐ習慣があるため、玄関に「上がり框」という段差があります。
また、和室がある場合、畳の厚さ分だけ床が高くなることから、洋室と和室、廊下と和室の間に段差ができてしまいます。
高齢者にとって、これらの段差は転倒やつまずく可能性があるほか、車いす利用者にとっては移動の障害となります。
玄関の段差をなくすことは、日本の生活習慣上難しいことかもしれませんが、高さを出来る限り低くする、スロープや手すりを設置することで、つまずいてケガをする危険性を減らすことができます。
また、屋内の段差は、予め畳の厚みの分だけ床を低くするなどの工夫で解消できます。
ポイント2:階段は必要最小限にする!
土地が広く、一階建ての住宅でも十分な居住空間を確保できるのであれば、思い切って平屋の家にするという選択肢もあります。
しかし、土地の広さの関係上、二階建て以上にしなくてはならないケースもあります。
ホームエレベーターやリフトを設置する、幅が広く段差の低い階段にすることで、階段の不便さを低減できます。
また、一階にトイレ、浴室、キッチン、介護が必要な人のための寝室など、機能を全て近い場所に集めることで、なるべく階段を使わず生活できる間取りにするといった工夫もできます。
ポイント3:住宅のドアのタイプと幅に注意!
玄関ドアをはじめ、各部屋に設けられたドアは、押したり引いたりすることで開閉する「扉タイプ」が主流です。しかし、扉タイプのドアは、ドアノブを回すために、ある程度の握力が必要となる他、手首をひねる動作が必要になり、扉自体の重さを支えなくてはいけません。
扉を開けるスペースが必要だったり、バリアフリーの観点から考えると多くの問題があります。
また、一般的なドアの幅は80cm程度で、介助者と二人で並んで入る場合や、車いすで入るには狭いという問題点があります。
「引き戸タイプ」のドアは、扉タイプのドアが持つデメリットを解消してくれる、バリアフリー住宅向けのドアです。また、屋内のドアをなるべく減らした間取りにするのも有効です。
ポイント4:廊下の広さは余裕をもたせる!
一般的な住宅の廊下の幅は、およそ80cmです。
この幅の広さは、一人で歩くには不便を感じないかもしれませんが、介助者と二人で歩く場合や、車いすでの移動の場合、窮屈に感じます。
また、バリアフリーのために手すりを取り付けると、手すりの分だけ幅が狭くなるだけでなく、狭いことから手すりの端に衣服や持ち物が引っかかるということも考えられます。
廊下の幅を10cm程度広くするだけで、手すりを取り付けても引っかからず、車いすや介助者と一緒でも窮屈さを感じない廊下にできます。
ポイント5:スイッチやコンセントの高さを見落とすな!
一般的なスイッチの高さは、床から120cmほどの高さにありますが、高齢者が使いやすい高さは90cm~100cmと言われています。
また、車いすの利用者にとって、120cmは高く、使い勝手がいいとは言えません。
また、壁に取り付けられたコンセントは、一般的に床から25cmの高さにありますが、高齢者にとっては「かがむ」ことも負担になるのです。
コンセントの位置を、床から40cm~45cm程度の高さにすることで、腰をかがめても負担にならない高さにできます。
まとめ
高齢者の方が住みやすい、注文住宅のバリアフリーに必要なポイントをご紹介しました。
注文住宅のバリアフリー化も、後からリフォームで変更は可能です。
しかし、床の高さ調整、廊下の幅、階段の段差、ホームエレベーターといった間取りの変更を伴う場合は、大掛かりなリフォームとなるため、コストも高くなります。
また、リフォーム内容によっては、対応できないケースもあります。
注文住宅を建てる時点で、バリアフリーに適した間取りを意識して行えば、後から余分なお金を払うことなく、高齢者の方も快適に暮らせる住宅を手に入れることができます。
バリアフリー住宅をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。