ペアガラスとLow-E複層ガラス、トリプルガラスは何が違いますか?
全て「複層ガラス」
窓に使用するガラスには様々な種類があり、種類ごとに防犯性、気密性、断熱性などに違いがあります。
ガラスには大きく分けて、一枚だけ使った「単層ガラス」と、二枚以上のガラスを使った「複層ガラス」があり、複層ガラスの中に「ペアガラス」「Low-E複層ガラス」「トリプルガラス」といった種類があります。
つまり、ペアガラス、Low-E複層ガラス、トリプルガラスはすべて「複層ガラス」に含まれるということですが、機能性にはそれぞれ違いがあります。どのような違いがあるのでしょうか。
ペアガラスとトリプルガラス
ペアガラスは、もとは板ガラスの大手メーカーAGCの登録商標ですが、複層ガラスのなかでも流通量が多いことから、現在は複層ガラスの一般名詞として使われることが多くなりました。
ペアガラスは二枚のガラスを使用した複層ガラスで、ガラスの間に乾燥空気やガスが封入された構造となっています。空気の層は熱を遮断する役割を持っているため、単層ガラスよりも断熱効果が高く、結露を防ぐことができます。
トリプルガラスはペアガラスにガラスをもう一枚加えることで空気層を二層にした複層ガラスです。空気層が二層あるため、ペアガラスよりも断熱性、防音性、防犯性などが高くなりますが、厚みが増して重くなるため、窓枠やサッシ選びが難しくなる可能性があります。また、ガラス自体の価格も高価です。
Low-E複層ガラスとは
Low-E複層ガラスは、太陽光や紫外線を抑える機能を持った特殊金属膜でコーティング加工(Low-E加工)したガラスを使用した複層ガラスのことです。
複層ガラスにLow-E加工を行う場合、基本的には屋外側か室内側の一枚にしか加工を行いません。
室内側に加工を施した場合は室内から出ていく熱が減り、屋外側に加工を施した場合は外気や紫外線が室内に入るのを防ぎます。このことから、室内側のガラスを加工したLow-E複層ガラスは「断熱タイプ」、屋外側のガラスを加工したLow-E複層ガラスを「遮熱タイプ」と呼びます。
Low-E複層ガラスに使用されるガラスの枚数は二枚が一般的ですが、Low-E加工を施しているため、通常のペアガラスよりも高い断熱・遮熱性を持っています。
なお、単純に「Low-Eガラス」と呼ぶときは「Low-E加工を施したガラス」という意味で使われることがあります。この場合、単層と複層を区別していないため、Low-E複層ガラスを設置したいと考えているなら単層か複層か確認した方が良いでしょう。
まとめ
ペアガラスとLow-E複層ガラス、トリプルガラスのうちどのガラスを使用するとコストパフォーマンスがよいかは、気候や立地条件などによって異なります。地域の環境やライフスタイル、住宅性能全般とあわせ、どのガラスがよいか総合的に判断して選ぶとよいでしょう。