使いやすいキッチンの決め手、ワークトライアングルとは?
キッチンの使いやすさを決めるワークトライアングルについて解説します。
アメリカで開発された「ワークトライアングル」
「ワークトライアングル」は、使いやすいキッチンの作業動線を作るための理想的なキッチンレイアウトを考えた理論でアメリカで開発されました。
キッチンで重要となる作業スペースは「シンク」「コンロ」「冷蔵庫」の三点ですが、この三つを頂点とした三角形が正三角形に近いほど理想的なレイアウトになるといわれています。
キッチンレイアウトの種類
キッチンレイアウトにはさまざまな種類があります。
- 冷蔵庫、シンク、コンロが横並びの「Ⅰ型」
- シンクを使っているときに背面にコンロと冷蔵庫が来るなど、二列になっている「Ⅱ型」
- 冷蔵庫、シンク、コンロがL字型に並ぶ「L型」
- 冷蔵庫、シンク、コンロがU字型に並ぶ「U型」
アイランド型キッチンやカウンターキッチンもコンロとシンクの位置関係でいずれかの形を同等に考えられます。
作業動線を三角にすると考えた場合、Ⅱ型、L型、U型のキッチンは自然と三角の動線を作ることができますが、Ⅰ型のキッチンは三角ではなく一直線となるため、やや使い勝手が悪いキッチンとなります。
それぞれの距離
三角であればどのような大きさでもよいというわけではありません。
例えば、シンクとコンロの距離が極端に近いと食器洗いの作業中に熱湯が入った鍋をひっくり返してしまうなどの危険がある一方、あまりに遠いと熱い鍋やフライパンを持ってキッチンを横切らなくてはいけません。
ワークトライアングルでは
- シンクからコンロまで 120〜180cm
- シンクから冷蔵庫まで 120〜210cm
- コンロから冷蔵庫まで 120〜270cm
が理想とされており、三辺の総和が360cm以上600cm以下がよいとされています。
これより狭いと作業スペースや収納が不足し、広いと効率が悪くなってしまいます。
ただし、動線が三角にならないⅠ型レイアウトの場合は端から端までが360cmよりも短い方が効率がよく、270cm程度が適正といわれています。
調理の流れをイメージ
レイアウトを考えるときは調理の流れをイメージしてシンク、冷蔵庫、コンロの位置を決めましょう。
例えば、シンクとコンロをL字型に並べ、冷蔵庫をシンクの横かコンロの横に置く場合、冷蔵庫を置くのはシンクの横が適しています。
なぜなら、冷蔵庫から出した食材はシンクで水洗いなどした後、シンクの隣にある調理台でカットなどをしてからコンロで加熱するというのが通常の流れだからです。
シンクの横に冷蔵庫があると食材をすぐ調理台に置くことができますが、コンロの横に冷蔵庫があると食材を持ってキッチンを横切ることになります。
まとめ
キッチンは基本的に毎日使う空間ですので、作業動線が悪いとストレスが強く不満を感じやすい場所です。
レイアウト、広さ、収納の大きさなどをよく考えて設計しましょう。
また、シンクやコンロのレイアウトを考えるのに集中していると「ゴミ箱」の設置場所を忘れることがあるので注意してください。
キッチンのゴミは調理のときに出ることがほとんどなので、できるだけシンクに近い位置が理想的です。