一覧に戻る

切土や盛土など、造成地とは?購入の際の注意点には何がある?

造成地とは

造成地とは、竹林や雑木林、田んぼ、畑、丘陵地など、そのままの状態では家を建てられない土地を整備し、家を建てられるようにした土地のことで、「造成宅地」とも呼ばれます。

個人所有の畑などを造成する場合もあれば、企業が広い範囲の土地を買い上げて大規模に行われることもあるため、買おうと思っていた土地が造成地だったということは少なくありません。

造成地を購入する場合、どのような点に注意すればよいでしょうか。

造成工事の種類

造成地は山林や農地などに「造成工事」を行うことで宅地化した土地をさしますが、どのような工事を行うかは元がどのような場所であったかによって異なります。

 

【切土】

崖や丘陵地などの斜面を切り取ることで、土地を平らに整形する工事です。

 

【盛土】

傾斜面や、池、沼、田んぼなど周囲より低い土地に新しい土を盛ったり、埋め立てたりして平らに整形する工事です。

 

【伐採・剪定・抜根】

雑木林や休耕田などに生えている立木などを切り倒し、根まで残さず抜いて完全に取り除く工事です。

 

【土止め】

切土や盛土で整形した土地の端、斜面などが崩落するのを防ぐため、石やブロック、コンクリート製の擁壁(ようへき)を設置する工事です。「土留め」と書くこともあります。

 

【地盤改良】

土にセメント系の固化剤を混ぜたり、杭を打ち込んだりして弱い地盤の強度を上げる工事です。

造成地購入の注意点

造成地を購入する場合、その土地が元はどのような場所であったか、どのような種類の工事が行われたかを知ることが非常に重要です。

例えば、表面の土を切り取って整形する「切土」の場合、切り取ったあとの土地は長い期間をかけて固められた土でできているため地盤が強いですが、新しい土を盛って作る「盛り土」の場合、土がまだ柔らかく不安定なため地盤が弱く、切り土で作った土地に比べると災害に弱い土地になります。斜面に盛り土を行って作った土地であれば大雨や地震で崩落する可能性があり、沼や池を埋め立てて造った土地の場合は、地盤沈下や洪水が起こりやすい可能性があります。水場を埋め立てた土地は、床下がじめじめするかもしれません。

土止めや地盤改良が適切に行われていないと、災害時の危険度はさらに高くなります。

 

どのような土地であったか、どのような工事が行われたかを知っておくと、今後起こりうるトラブルが予想でき、そのためにどのような対処が必要になるか、追加で工事などを行う必要があるかが判断できます。特に、造成されてからそれほど年月が経っていない盛り土の土地は工事内容などを必ず確認しておきましょう。

「切り土」と「盛り土」は同時に行われることがあります。地盤の強度が違うため境界部分でトラブルが起こりやすいため、造成で作られた広い住宅地の一部を購入するときは、住宅地全体だけではなく自分が購入を考えている部分が境界部分をまたいでいないかなども合わせて確認してください。

まとめ

時々、造成地は災害に弱いから買わないほうがいいという意見を耳にすることがありますが、地盤改良や土止めなどが適切に行われていれば基本的に問題ありません。

しかし、地盤の状態や工事内容が適切かどうかは知識がないと判断が難しいので、購入前に専門家と相談しておくとよいでしょう。

 

そのほかの「よくある質問」はこちら