住宅ローン返済、ボーナス返済有りと無し、何が違う?
ボーナス返済とは
住宅ローンの返済方法を選ぶとき、ボーナス返済を利用するかしないかを選ぶことができます。ボーナス返済とは1月や7月などボーナスが出る月の返済額を通常の月よりも多めに設定する返済方法です。
ボーナス返済は毎月返済とセットになっているため、毎月返済の住宅ローンとボーナス月返済の住宅ローンの二つを契約するといったイメージの方が近いかもしれません。
ボーナス返済有りと無しの違い
借入金額が3000万円、金利2.0%で返済期間を35年とした場合、ボーナス返済無しだと毎月の返済額は約10万円となります。ボーナス返済を利用していないため、ボーナス月でもそれ以外の月でも返済額は一定して約10万円となります。
ボーナス返済ありの場合、借入総額の40~50%程度を上限にボーナス返済分に割り当てることで毎月返済の負担を減らすことができます。
例えば、ボーナス返済分を借入額の20%にした場合、毎月返済で返済する額は2400万円分、ボーナス返済の分が600万円となります。
毎月返済の額は8万円ほどに抑えることができますが、ボーナス月はボーナス返済として約12万円が加算されるため20万円を返済しなくてはなりません。
ボーナス返済分の割合を増やすほど毎月返済額は低くなりますが、ボーナス返済の額が増えてボーナス月の負担が大きくなります。
意外と大きいデメリットとリスク
ボーナス返済を利用すると毎月返済の額を低く抑えることができますが、それ以外のメリットはほとんどないといわれています。
「たくさん払う月があるのだから、その分元金が早く減って総返済額を抑えられる」というイメージがありますが、ボーナス返済があるのは12か月のうち2か月だけであるため元金を減らす効果は少なく、むしろ利子の負担が大きくなる傾向があります。
そのため、前述の条件で借り入れ・返済を行った場合、ボーナス返済無しの場合は総返済額が約4174万円であるのに対し、ボーナス返済ありの場合は総返済額が約4176万円と増加してしまいます。ボーナス返済分の割合が大きいほど総返済額が増えて損をしてしまいます。
また、ボーナス返済は返済できなくなる可能性があることにも注意が必要です。ボーナスはその年の景気や業績によって支給額が変動するため、現時点では返済可能な額に設定したとしても数年後には払えなくなっている可能性があります。ボーナス返済の割合が大きいほど返済が滞るリスクが高く、返済のために借金をしたり、家を手放したりといった事態に陥るかもしれません。
ボーナスを貯蓄に回すことが出来ないのもデメリットの一つです。
ボーナスが減ることはあっても増えることはないといわれる現在の経済状況では、ボーナス返済はデメリットとリスクが大きいといえるでしょう。
まとめ
ボーナス返済有りにすると毎月の負担を減らすことができますが、デメリットが多くリスクも高いためボーナス返済を利用する人は減少傾向にあります。
ボーナス月などに多めに返済して毎月返済額を抑えたいという場合は「繰り上げ返済」を利用してもよいでしょう。ボーナス返済は設定された月に必ず払わなくてはなりませんが、繰り上げ返済は支払う時期や額を任意で決めることができるため、ボーナスの支給状況やライフスタイルなどに応じて返済することが可能です。