明るい色か、暗い色か。床の色選びの際のポイントについて教えてください。
床の色選びのポイントを紹介します。
床の色は空間づくりのベース
新築を建てるときに決めなくてはならないことはたくさんありますが、インテリアのなかで悩むことが多いのは「床の色」です。
面積が広く視界に入りやすい床は空間のイメージを左右し、天井、壁との組み合わせによっては統一感のない落ち着かない雰囲気の部屋になってしまいます。
では、床の色を選ぶときはどのようなことに注意すればよいでしょうか。
ポイント1:メリットとデメリットを知る
明るい色の床と暗い色の床にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
インテリアなどに特にこだわりがないという場合は、メリットとデメリットだけを基準に選ぶとよいでしょう。
【明るい色の床が持つメリット】
- 埃が目立ちにくい
- 部屋が明るく、実際よりも広く感じられる
- どんなインテリアとも合わせやすい
【明るい色の床が持つデメリット】
- 汚れやすく髪の毛などが落ちていると目立つ
- 傷が目立ちやすく劣化が気になる
- 壁や天井の色が選びにくくなる
明るい色の床は部屋を明るく見せるには最適ですが、こまめに掃除やメンテナンスを行わないと汚れが目立ってしまいます。
また、壁や天井の色は一般的に床→壁→天井の順に明るくしていくと失敗が少ないため、床の色を明るくすると壁や天井の色の選択肢が少なくなってしまいます。
【暗い色の床が持つメリット】
- 髪の毛が落ちていても目立ちにくい
- 細かい傷が目立ちにくい
- 落ち着いた雰囲気、重厚感のある雰囲気の空間を作ることができる
【暗い色の床が持つデメリット】
- 綿ぼこりが目立つ
- 部屋が実際よりも暗く、狭く感じる
暗い色の床は寝室などリラックスするための空間に適していますが、暗さや狭さを感じるため、リビングなどに使うときは圧迫感が出ないよう、窓を大きくして部屋を明るくする、スキップフロアや吹き抜けなどで空間を広く見せるなどの工夫が必要となります。
ポイント2:その部屋の雰囲気や過ごし方を具体的にイメージする
その部屋をどんな空間にしたいか、どんな風に過ごしたいかを具体的にイメージすることは、空間づくりの第一歩です。
例えば、イギリス貴族の邸宅のような雰囲気の書斎や、明治・大正の洋館のような雰囲気のリビング、暖色系の明かりを使ったリラックスできる雰囲気の寝室など、重厚感や高級感、落ち着いた空間を作りたいときは暗い色の床が適しています。
一方、カジュアルな雰囲気のリビングや明るい雰囲気の子ども部屋、みんなで気軽に集まってホームパーティが楽しめるダイニングキッチンなど、賑やかな雰囲気、明るい雰囲気の部屋を作りたいなら明るい色の床が適しています。
ただし、壁や天井の色次第で部屋の雰囲気は変わりますので「暗い色の床は賑やかな雰囲気にしたいリビングでは使えない」というわけではありません。
ポイント3:カタログやサンプルはあくまで「目安」
床の色を選ぶとき、写真カタログやサンプルを見て候補を決めていきますが、カタログやサンプルはあくまで「目安」でしかありません。
カタログは写真である以上、写真の撮影方法や印刷の状態によって実際の色とは雰囲気が多少違います。素材が持つ質感やツヤなどもわかりにくくなっています。
また、サンプルは実際の床面積に比べるとサイズがかなり小さくなりますので、部屋の床すべてに敷き詰めたときとイメージが異なることも多く「思っていたより明るい色になった」ということがあります。
床の色を選ぶときはモデルルームなどを見学して、実際に使われている部屋の雰囲気を確かめておくと安心です。
まとめ
インテリアには特別なこだわりもなく、壁や天井の色選びも含めて簡単に済ませたいという場合は、メンテナンスがしやすく、どんなインテリアにも合わせることができる「中間色」を選ぶというのも一つの方法です。
ただし、中間色の床は素材の質感が目立つため、床材によっては部屋がチープに見えることもあるので注意してください。
どの色や素材をつかうにせよ、床は一旦張ってしまうと手直しが簡単ではありません。
色選びに失敗したときはラグやカーペット、カーテンを使うことで印象を変えることができますが、できるだけ慎重に色を選んでください。