水害対策だけではない。高基礎のメリット4つ。
高基礎のメリットを4つご紹介します。
高基礎とは
一般的な基礎は、住宅の床下に排水管などを通すことができる30cm程度の高さになっていますが、ときどき30cmよりも高く基礎が作られた住宅を目にすることがあります。
このような高く作られた基礎を「高基礎」と呼び、古くから水害対策の一つとして利用されてきました。
例えば、神戸市の「旧居留地」エリアに建つ古い建築物のなかでも、海抜が低く海に近い国道線沿いの建築物は、水害対策のために基礎が高くなっており、玄関の前に5~6段程度の階段があることも珍しくありません。
しかし近年、水害の心配が少ない地域でも高基礎を採用する住宅も増えています。
実は、高基礎は水害対策以外のメリットがあるからです。
メリット1:床下の湿気対策
湿度の高い日本では川や池に近い土地でなくても床下に湿気が溜まりやすく、通気性が悪いとカビやシロアリの発生や、基礎部分の腐食を招きます。
しかし、基礎が高いと床下の空間が広くなって通気性がよくなり、湿気も溜まらずシロアリなどのトラブルを防止でき、家の寿命を延ばすことに繋がります。
メリット2:メンテナンス性が高くなる
一般的な基礎の高さである30cmでは、開口部から基礎の中をのぞき込んでも視野が狭く、内部をしっかり点検できません。
しかし、基礎を高く作っていると視野も自然と広くなるため、内部を点検しやすく異常を早期発見できる確率が高くなります。
また、メンテナンスのために床下に潜り込むときも、30cmしか高さがないと移動するだけでも労力を必要となり作業効率が低くなってしまいますが、基礎が高く床下が広いと移動や作業がしやすくなります。
メリット3:窓の高さが変わるため、目線がずれる
住宅同士の距離が近い場合、何気なく窓の外を見ると隣家の中が見えてしまうということがあるほか、トイレや脱衣所などの窓から中に人がいることが隣家から見えてしまうなど、プライバシーを守ることが難しいケースがあります。
隣家より基礎を一段高くすることで窓の高さを変えると、お互いの目線もずれて視線が気になるということがありません。
メリット4:家が大きく感じる
高基礎の家は、基礎が高くなった分周囲の家よりも屋根の位置が高くなるため、周囲の家よりも大きく見えるといわれています。
家から外を見たときも視界が広くなるため、部屋も広くなったような気分になります。
まとめ
高基礎の家は水害対策のほか、床下の湿気対策、メンテナンス性の向上、プライバシー性の向上といったメリットがあるほか、家が大きく感じるといった心理効果を得ることができます。
また、広い床下空間を利用して床下収納を設置することもできるため、狭小住宅で収納スペースを確保することができない場合などは高基礎を検討してもよいかもしれません。