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夏の日差しを遮ってくれるが、室内が暗い?深い軒のメリットとデメリットには何がありますか?

軒が深い家

家の外観を決めるとき、屋根や外壁を意識することはあっても「軒」を意識することは少ないかもしれません。軒とは建物の壁よりも外側にせり出した屋根のことで、せり出した長さが短いと「軒が浅い」、長いと「軒が深い」といいます。

家の外観イメージは様々な要素によって決まるため一概には言えませんが、軒が深い家は落ち着いた印象に仕上げやすく、高級感があるといわれています。

軒が深い家はどのような特徴やメリット・デメリットがあるのでしょうか。

和風建築や和モダンと相性がよい

軒を深くすると外観イメージを落ち着きのある印象に仕上げることができますが、どんなデザインの家とも相性がよいというわけではありません。

例えば、スタイリッシュなキューブ型の家は一般的に軒がほとんどないか、軒が浅いほうが見た目がよく、軒を深くするとアンバランスになってしまいます。

また、洋風の家や洋モダンの家とも相性があまり良くありません。

深い軒は神社やお寺、伝統的な日本家屋によく使われているため、和風建築や和モダンな家との相性が良く、軒を深くすることで重厚感のある印象に仕上げることができます。

深い軒のメリット

深い軒は日差しが強い夏場に外壁や窓が直射日光にさらされるのを防いでくれるため、室温が上がりにくく夏でも比較的涼しい状態を保つことができます。その反対に太陽の高度が低い冬は程よい量の日光が当たり、日中は比較的暖かく過ごせるようになります。冷暖房コストの削減効果も期待できるでしょう。

また、紫外線や雨が外壁にあたる量を減らすことができるため、外壁の褪色やクラック、壁同士をつないでいるシーリング材の劣化やそこから雨が入ることで起こる雨漏りの発生リスクを下げることができます。軒下を雨宿りスペースや洗濯物を干すスペースなどに利用できるのもメリットです。

深い軒のデメリット

深い軒は強い日差しを遮る効果がありますが、日差しを遮るということは窓から日の光が入りにくくなるということでもあります。そのため、軒が深いと室内が暗くなりやすく、立地条件などによっては日中でも電気をつけていないと暗い家になる可能性があります。軒を深くするときは採光性を考慮しましょう。

また、はりだした部分が長くなる分、風の影響を受けやすくなるのもデメリットです。一般的な強風では問題ありませんが、年数が経過して家の強度が落ちた時に台風に遭うと屋根が飛んだり歪んだりする可能性があります。軒を深くするときは屋根の構造を強くしておく必要があります。

軒を深くするということは屋根の面積を広げることでもあるため、軒が深くなると材料など使用量が多くなります。

さらに、採光性や屋根の強度を高めるために費用が掛かる可能性も高く、軒が浅い家に比べると建築コストが高額になるのもデメリットです。

まとめ

軒を深くすると重厚感や落ち着きのある印象になるとわれていますが、住宅デザインとの相性によってはバランスが悪くなったりチグハグな印象になったりすることがあります。

また、深い軒にはメリットだけではなくデメリットがあるため、軒の深さを決めるときは住宅デザインとの相性や機能性などを考慮して選ぶとよいでしょう。

 

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