住宅ローンを組んだら生命保険を見直すべきなのはなぜ?
住宅ローンと生命保険の関係
住宅ローンを組む条件は金融機関などによって異なりますが、民間の金融機関では「団信」への加入が借り入れ条件となることがほとんどです。
団信とは団体信用生命保険のことで、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態になってローンの返済が不可能になったとき、生命保険会社がローンの残金を支払うという仕組みになっています。
団信と一般の生命保険が重複するから
生命保険に加入する理由はさまざまですが、世帯主が生命保険に加入する場合、残された家族の生活費や住居費を賄う目的であることがほとんどです。
例えば、会社員の夫と専業主婦の妻という家族構成で、毎月の住居費が7万円、生活費が13万円かかっている場合、妻が20年間生活できるだけのお金を残すためには死亡時に4800万円支払われる保険に加入しなくてはなりません。
しかし、住宅ローンを組むために団信に加入すると、死亡時に残っているローン残金は団信で支払われるため、月々の住居費は0になります。そのため、妻が20年間生活できるだけのお金として生活費13万円の20年分。つまり、3120万円残せばよいということになり、1680万円も差が出ます。
生命保険は保障金額が減ると掛け金も下がるため、団信でまかなえる住居費分を引いた額を残せるよう保険を見直すと保険料を節約することができます。
病気や失業のリスクに備える
生命保険や団信の支払い基準は「死亡または高度障害」となっており、病気やケガ、失業などで収入が絶たれたときは支払われません。収入がないと住宅ローン返済ができないため、家を手放すことになる可能性もあります。
近年は「三大疾病特約」などがついた団信や生命保険もありますが、ついていない場合や保障が不十分な場合は医療保険や就業不能保険(所得補償保険)などに加入することも検討してください。
老後のリスクにも備えたい
住宅ローンの返済期間が長く、定年退職後もローンを払わなくてはならない場合、収入が減ってローン返済が難しいと感じる可能性があります。老後、収入が減っても住宅ローンを払えるよう、個人年金保険や養老保険に加入してもよいかもしれません。
まとめ
住宅ローンを組むために団信に加入した場合、すでに加入済みの生命保険を見直すと、重複して「かけすぎ」になっている部分や、保障が足りない部分に気づくことができます。保険料の無駄を減らすだけではなく、万が一のときでも住宅ローン返済や生活に支障が出ないよう、保険の内容を見直しておくとよいでしょう。